まだ2012年は始まったばかりですが、これから激動が起きるのは間違いなく、具体的に対策を立てておく必要があります。以前から指摘しているとおり、可能性としては①このまま金融恐慌に突入する②イランと戦争を起こし、一時的に景気を浮揚させる、の大きく二つが考えられると思います。何がどう動くかは、直前にならないと分からない部分が大きいですが、ある程度は心構えはできるし、利益は出ないにしてもせめてダメージだけは極力減らしたいものです。
日経平均8500円割れ、1ドル=80円割れ、1ユーロ=100円割れ、ということで、すでに金融恐慌が始まっていると言ってもいい状況だと思いますが、ギリシャの国家破綻など、「負けを認めない」ので、なかなか本格的な恐慌にはなりません。
本来なら、リーマン・ショック直後のように3000円下げて、1000円上げるみたいな派手なラリーがあってもおかしくはないのですが、問題を先送りすることで、時間稼ぎをしているようです。当初は2009年のドバイ・ショック以降、ユーロに攻撃を仕掛けることで、米国債、ドルの価格を維持をもくろんでいたようですが、どうやら、欧州の金融危機が米国の金融機関のバランスシートにも飛び火しかねない、ということで、ここへ来て、ユーロ救済の方法を模索するような動きがあります。
今さら悪あがきであることは明白です。事ここに及んで欧州問題が米国自身が抱える金融問題にも影響する恐れがあるということに気付いたというのは、非常に滑稽で、連中がいかにバカで、行き当たりばったりの対策に終始しているかということがうかがえます。
①のケースだと基本的には、この半年間の動きのように、しばらくだらだらと後退することになるんでしょうね。日経先物にしても、ドル・円にしても月足のチャートを見る限りは、トレンドラインに沿って下落しているので、「トレンドラインからかい離して下げた時は押し目買い、トレンドラインに接近したら吹き値売り」というスタンスが有効なのでしょうね。
もちろん、一昨年5月のギリシャ・ショックの時のようにずどんと落ちることもあるでしょうけど、あの時も下げてまた戻すという展開でしたが、似たような動きになる可能性が高そうです。とにかく、もう遅いのですが、最後の生存本能を振り絞って無駄な抵抗を続けるのでしょう。
ただ、ズドンと落ちた後、パニック売りの連鎖が続けば、完全に相場は崩壊してしまうので、そこは気を付けなければなりません。その場合、一時的に国際協調でドルの買い支え(日本による為替介入)、株式市場の価格維持が行われば、市場は持ち直す可能性もありますが、取引が制限されるほど、壊滅状態になる可能性も考慮しておくべきでしょうね。
トレーダーとして、個人的に最近、面白いかなと思うのは、②のパターンですかね。欧米がしばらくのさばることになるのですが、ちょっとしたチャンスになるかもしれません。
どういう形でイランが攻められるのかは、分かりませんが、例えば9・11テロのようなことが起きて、ズドンと下に落ちた後に、宣戦布告してしばらく低迷した後に徐々に上昇基調に転じるというパターンが想定されます。あとはイラン攻撃がいつまで続くかですよね。
米国としても長期戦になると、戦費の問題になるので、劣化ウラン弾やバンカーバスターなど戦術核兵器を使って、短期決戦に終わることでしょう。半年ぐらいは戦争景気で盛り上がるでしょうかね。
ただその場合、落ちた後にどこまで戻すのかということも考えておく必要があります。NYダウだけ上昇して、日経平均にはほとんど恩恵がないという昨今と似たような状況になる可能性もあります。ドルも大して上昇しないかもしれません。
また、落ちた後の上昇が単なる、リバウンド程度に終わってしまう可能性もありますし、中国やロシアなんかの動向も注視しなければいけません。
まあ、昨年来ずっとそうでしたが、現実はそんな甘いもんではありません。ただ、いざ「ビビッ」とインスピレーションが湧く瞬間はあると思います。ロングにせよショートにせよ、その瞬間を逃さないために、心構えと準備をしておくことは意義があるのではないでしょうか。