何が問題か

  日本の最大の問題は、米国というどうしようもない破綻国家が宗主国であるということに尽きるのですが、何にもましてひどいのは、政界、財界、官界の対米追従しかできない無能ぶりと、知識人、メディアが総じて頭が悪いということです。
  東海道新幹線のグリーン車に乗ると、「WEDGE」という雑誌がただでもらえますが、新年号のトップの見出しは「膨張中国 目を覚ませ日本」で、中国の内陸部が私たちの想像以上に速いスピードで発展しているので乗り遅れるなという趣旨かとおもいきや、軍事的にプレゼンスを増しているので、日米同盟を基軸に対抗し、TPPで経済的な包囲網を築くべしという、新年早々虫唾が走るような内容でした。
  これを読む、日本のビジネスエリートの人たちはどういう感想を持つんでしょうかね。日米安保、中国封じ込め、云々が出てくる時点で、経済人としては失格だと思うのですが、内向き志向の強い人なんかには受けるんでしょうね。
  もちろん中国ビジネスは、欧米を相手にするのと比べると、はるかに苦労が多いし、不確定要素も少なくなく、タフ、したたかさが要求されますが、それでも成長市場に乗っかることができるメリットは何物にも代えがたいものがあります。
  中国封じ込めなんて本気でできると思っているんでしょうかね? 米国は国家破綻状態なので、日本や韓国やフィリピンやベトナムなんかをけしかけて中国にはむかわせようとしています。要するに自力で中国に対抗する能力はもはやないのです。それどころか、日本なんかが中国と反目している間に、自分たちは、ちゃっかり中国市場に食い込んだりしています。
  世界の経済成長センターである、中国を抜きにして、これからの国際社会を生き残っていけると思っているのか? キューバのように鎖国政策を取るのであれば、話は別だし、それはそれで一つの見識だとは思いますが、現実的ではないでしょう。
  米国の日本占領は大成功ですね。エリート層がここまで洗脳されてしまうと、どうしようもありません。中国がもたらす害悪よりも、米国がもたらした災厄の方が大きいんですけどね。米国に尻尾を振り、米国債購入、為替介入という形で国富を献上することで、若者から未来を奪い、地方は活気を失い、国全体が沈滞ムードに包まれている現状を直視すべきでしょう。
  米国はこれからどんどん貧しくなっていくので、もはやビジネスパートナーとしても役に立たない存在になっています。韓国企業が躍進している背景には、日本が相手にしていた富裕層が没落したため、安売りとそこそこの品質で、米国市場に日本に代わって食い込むことができただけの話で、かなり筋の悪い商売であると言えるでしょう。
  日本にとって最大の問題は、米国です。米国との付き合いを変えないと、奴らと一緒に、大恐慌の渦に放り込まれることになります。韓国、フランス、ドイツといった米国に必要以上におもねる国も、“仮想敵”であると考えていいでしょう。
  日本が目を覚ますためにも、さっさと米国が没落して、大損すればいいと思います。残念ながら、信じていたものに裏切られて、痛い目に遭わないと理解できないようです。
  反米の世論を醸成しなければいけないんですけど、なかなか広がらないですね。米国による洗脳は深刻だし、米国のインチキに気づいて逆らったものは徹底的に弾圧されますからね。昨年イスラム圏で起きた「アラブの春」なんかも根っこには反米があったはずなのですが、独裁者に対する怒りに巧妙にすり替えられてしまいました。
  世界が抱える最大の問題は米国であるということ、いま一度思い返す必要があります。また、そんなことも気付かない日本のエリート層、あるいは確信犯的に尻尾を振って、地位や利益を得ようとするものども。奴らの問題も深刻です。