感動CM

  東日本大震災でお蔵入りになった(ACのぽぽぽぽーんに取って代わられた?)、JR九州の九州新幹線鹿児島ルート全線開通のCMがネットで話題になり、フランスのカンヌ国際広告祭金賞を受賞したということです。
  私も先日、初めてこのCMを見ましたが、新幹線にかける地元の人の熱意が伝わってくるいいCMだと思いました。ただ、この金賞がどんな価値を持つのか分からないですが(食品のモンドセレクションの金賞ぐらい?)、「この程度で金賞なの?」という疑問もないではなかったです。
  言葉が少ない分、海外の人にも何となく受けたのでしょうが、この手のイメージCMで私が好きなのは、関西電力の阪神大震災15年目のイメージCMですね。東日本大震災があり、原発事故があった後の今となっては、ちょっとブラック・ユーモアぽくなってしまうかもしれませんが、震災直後に生まれた子供たちの成長と、震災からの復興を重ね合わせていて、未来に向かってしっかり進んでいくんだという前向きなメッセージが伝わってきます。
  アンジェラ・アキさんの「手紙~拝啓 十五の君へ~」は、このCMのために作られたんじゃないかと思うほど絶妙にマッチしています。
  東日本大震災は、阪神大震災と比べて規模ははるかに大きいし、原発事故も加わり、政府首脳や経済界トップの無神経で売国的な言動にうんざりさせることは多いけど、またこれからも、こういうCMが生まれたらいいなと心から願います。


  関西電力は、これ以外にも優れたイメージCMを出していて、黒部ダムをモチーフにしたCMが下の動画です。これもバック・ミュージックが非常に効果的で、中島みゆきさんの「糸」で情感たっぷりに表現されています。
  黒部ダムの建設物語はNHKのプロジェクトXでもいの一番に取り上げられ、「希望の星」とも非常に合うと思いますが、あえて、ややたそがれた感じの「糸」が採用されたところに、センスが感じられます。私はこのCMを見てCDを買ってしまいました。


  原発問題や計画停電、節電をめぐって、電力会社がバッシングに遭っていますけど、社員の人たちには心意気のある人も多いと思うんですよね。
  日本はこれまでいくつかの困難を乗り越えてここまで来たのですから、英知と技術力を結集すれば、何とかなると思います。というより、原子力を使わなくてすむ高い技術力があるにもかかわらず、外国の横やりで阻まれるという構図を何とかしなければならない。やればできるんです。日本は。