本当は分かりやすい

  今、日本や世界を閉塞感が覆っていますが、先が見通せないというのが一番の理由でしょうね。身近な視点で考えると、終身雇用や年功序列が崩れつつあり、それどころか正社員にすらなれなくなりました。年金だって保険料を納めていても、もらえるかどうか分からなくなりました。
  とにかく、何一つ確実なこと、先々まで安定しているものがなくなってしまい、家を買ったり、車を買ったりするために、先々の所得をあてにして、ローンを組むことだって、過大なリスクになってしまいました。
  こんな状況が続くならば、どんどん委縮してしまい、ますます経済活動は衰退するし、みんな自分を守ることで汲々としてしまい、ぎすぎすした世の中になってしまいます。5年前、10年前と比べると、人と人との付き合いが希薄というか、どんどん薄情になってきていますし、他人との関係が利害抜きで考えられなくなりました。
  東日本大震災後、海外のメディアが日本人が復興に向けて、団結して迅速に動き出したのを見て、“Auto pilot society”だと評しましたが、要は、政府はボンクラだけど、国民の団結力、勤勉さはすごいと驚嘆したわけです。
  それはそれでいいとは思うのですが、やはり国の進む方向がはっきり示されないと、いくら民間の力が強くても、限界があるわけです。仮に絵に描いた餅に終わったとしても、あるていど国が青写真を示し、リーダーシップを取るべき部分はリードしていかないと、国民は前を向けませんね。
  すべての原因をそこに押し付けるのはよくないとは思いますし、日本はもっと奮起しないといけないのですが、やはりネックは“米国”でしょう。人間が社会的な生活を営んでいる以上、強いものが弱いものを支配するというのは宿命だし、もはやよれよれの状態ではありますが、米国が人類で一番強いという事実は無視できません。世界帝国の動向というのは、末端で暮らす私たちの生活に影響を及ぼすのです。これは中国が覇権を握っても同様です。
  国家破綻による没落寸前の帝国が、生存本能を発揮して延命しようと、悪あがきをするために、世界は迷惑をこうむります。日本は完全に米国の支配下に置かれているので、とりわけ激しく、巻き添えを食らうわけです。
  「失われた20年」とはよく言ったもので、ソ連との冷戦が終結し、米国が日本を敵視し始めて以降、日本は激しく米国から搾取され、本来国内に還流すべき資金を、必要以上に米国に貢がされたため、ひどい景気低迷に見舞われ、若者が希望を持てない国になってしまいました。
  ナショナリストというのは、世界帝国に対し、国益を守る人のことを言いますが、気が付けば日本には売国奴しかいなくなり、ナショナリストは巧妙に抹殺されてしまいました。自民党が売国政治を主導してきましたが、政権交代で国民のための政治への変化が期待されたにもかかわらず、民主党はすっかり自民党と同じわなにはまってしまい、まさにミイラ取りがミイラになってしまいました。特に野田、前原、仙谷、岡田といった面々はA級戦犯として後世に記憶されるべきでしょう。
  どれだけ悪あがきしても、欧州が没落し、続いて米国が国家破綻するのは、既定路線なのです。連中が築いた借金は、今から真面目に働いて返済しようとしても返せるような額ではないのです。もとより連中は働く気がありません。沈没したフェリーのイタリア人船長同様、だめだとわかると、エリート層はとっとと財産をまとめて逃げ出してしまうでしょうね。偉そうにしていますが、倫理観さえも持ち合わせていないのです。
  もはや延命不可能なのに、デフォルトしていないと強弁し、しつこく存在を誇示しようとするので、目がくらまされてしまいますが、ダメなものはダメなのです。そこさえ押さえていれば、そんなに難しい話ではありません。
  衰退する国を無理に起き上がらせようとするから、おかしなことになり、先が見通せなくなってしまいますが、何のことはないシンプルな話です。自分で自分の面倒を見れない、寝たきり老人のような欧米を見放せばいいだけのことです。ただそれだけ。
  米国に対してはいろいろとカネを貸し込んでいるのですが、働けなくなった人に返済を期待するのは無理があります。かなりの痛みを伴いますが、損切りするしかありません。
  逆に延命治療をすることでずるずると資金を投入すると、こちらの命まで削ることになり、しまいには致命的な状態になってしまいます。
  だから、一日も早く、欧米と縁を切る方策を探るべきです。連中とかかわってもカネをむしりとられるだけであって、何のメリットもありません。何の努力もしない人間が、世界を支配できるほど世の中甘くありません。
  欧米を見限ることで、今までの呪縛から解き放たれ、身軽になれるでしょうね。もちろんその過程では、かなりの出血や痛みがあるわけですが、次に何をすべきか見えてくるでしょう。
  失われた20年より以前の時代では当たり前の考えだった、“一億総中流”。多くの人が経済発展の恩恵を受けられるような社会を再構築すればいいではないですか。米国にだまされて実力社会なんてやったがために、格差ができてしまい、実にぎすぎすした社会になってしまいました。
  古く役に立たないものはさっさと捨ててしまい、新しく有用なものを取り入れる。それが風水的に運気を上げるもっとも手っ取り早い方法です。小難しいことを考えなくとも、実に簡単なことなのです。