明日(27日)投開票の大阪府知事選、大阪市長選は、今後の日本の針路にとって重要な選挙になると思います。橋下徹前大阪府知事率いる「大阪維新の会」と、市長選では共産党まで含めた既存政党との対決という構図で、橋下氏の「独裁」に対して、賛否両論が巻き起こっていますが、まさにここが重要なポイントなのです。
細かくは触れませんが、「民主主義(デモクラシー)」の反対の意味を持つ単語は、「独裁」ではありません。このことを知らないで、政治に関して偉そうに語る資格はありません。身を引くべきです。知らなかった人がほとんどだと思いますが、政治に対して真剣に向き合いたい人はぜひ、これを機に覚えておいてください。
民主主義と対立する概念を示す言葉は、「神聖(神権)政治(テオクラシー)」です。神聖政治にもいろいろな形態がありますし、この言葉の解釈をめぐっては、意見が分かれる部分もありますが、人間の意思を超えた、神の意向に従って行う政治のこととしておきます。対して、民主主義はdemos(大衆、広い意味で人間)が行う政治のことです。
人間が行う政治が、歴史の中で、試行錯誤していくうちに、民主的に(投票によって)選出された、代議士に全権を委ね、政治を任せるというシステムが「民主主義」として確立しました。だから、「民主主義」と「独裁」とは決して、喧嘩する概念ではないんですよね。
今回のダブル選挙で、心の底から情けないと思うし、怒りが込み上げて仕方がないのは、既存政党がこの「民主主義」を否定する行動をとっていることです。自分たち自身が民主主義のルールにのっとって選ばれた政治家であるにもかかわらず、なぜ、自分たちの権限を抑制あるいは無にしてしまう行動をとるのか。不可解です。
なぜ、府庁や市役所のお役人のことを気遣わないといけないんでしょうかね? 有権者から全権をゆだねられているわけなのですから、役人を使い倒して、政策を実現するのが本来の民主主義のあり方ではないんでしょうかね?
民主党も、自民党も、共産党も、自分たちが国民や市民に選ばれて権力を行使することを期待されているにもかかわらず、役人のご機嫌取りをして、なあなあのうちに、テキトーに政治を行うことしか考えていないということがはっきりしました。
今回、公明党は自主投票のようで、やや逃げ腰な感じはしますが、従来の官僚政治のしがらみを考えると、百八十度舵を切るというのは難しいでしょうから、まあ、それなりに評価できるでしょう。
町村役場の職員から、国の中央省庁の官僚に至るまで、役人が自分たちの都合のように政治を行い、利権を肥大化させてきたのが、日本のこれまでの姿だったのではないでしょうか。そして、そこに巧妙につけ入ったのがほかならぬ米国で、官僚をコントロールすることで、日本に対する支配権を完全に確立してしまいました。
だから、国民のために国の予算を使おうとしても、いちいち米国様のお許しを得ないと、できないような情けない状況に陥ってしまったのです。官僚も自分たちを評価し、人事にまで介入してくるのは米国様なものだから、一生懸命、歓心を買おうと、米国に国益を差し出そうとする。
米国が国家破綻して、西太平洋から出て行ったとしても、目ざとい中国に官僚機構が利用されることでしょう。卑しい韓国、朝鮮人も虎視眈々と利権あさりをねらっています。
これ以上の売国を許さないためにも、政治を政治家の手に取り戻し、官僚の影響を排除して、より民意が反映されやすい仕組みにしなければならないのではないかと思います。
それと重要なのは地方分権ですね。中央官庁の役人には、地方の事情なんてとても分かりませんよ。神様ではないのです。だから、地方のことは地方が決めればよい。
お金と権力を地方にゆだねることで、よりきめ細かく、行き届いた行政が可能になるでしょうし、透明性が高まるので、国民の知らないところで、米国に貢いでいたなんていうことも、少しはチェックが働くようになるでしょう。だから、大阪都構想とか、関西広域連合の機能拡大というのは、とても重要ですね。
正直、橋下徹という人物は、胡散臭いところがあるし、出自ではなく政治思想とか誰の影響を受けているのかという意味で、素性が分からず、危険な部分もあると思います。環太平洋パートナーシップ協定にも前向きだし、個別の政策では支持できない点もあります。
でも、政治主導と地方分権という大枠では、私は彼を支持します。今必要なのはまさに「独裁」だし、それが官僚政治を脱却し、真の意味で民主主義を確立するためにも大切なことなのです。
橋下氏に対する週刊誌でのバッシングは明らかに異常だし、ついに本性を現したということでしょう。要は「政治主導」「地方分権」は、“彼ら”にとっては、とても都合が悪いことなのです。その一点だけとっても、私なんかは橋下氏を支持する十分な根拠になると思いますけどね。
2009年、民主党はまさにこの「政治主導」と、「地方分権改革は一丁目一番地」として、マニフェストに大きく掲げ、政権交代を実現しました。ところが、わずか2年で官僚機構や米国の罠にはまり、この体たらくとなってしまいました。
誰のための政治なのか、もう一度、考える上でも、今回の大阪のダブル選挙はとても大切なのです。私は東京都民で、部外者なので、所詮はたわごとにすぎないのですが、大阪の人にはぜひ熟慮の上、投票所に足を運んでほしいと願います。橋下さんに入れるにしても、平松さんに入れるにしても、重要な一票になることは間違いありません。
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ババ抜き
欧州の財政問題をめぐって、ここ2、3カ月、毎週毎週、いろんな会議が開かれています。結果はご存じの通り、頻繁に動きがある割には、実効性のある対策は何一つ打ち出せず、問題を先送りしてここまできました。
最初のうちはマーケットも、大して成果も出ていないのに、「問題解決への一歩」みたいなポジティブな受け止め方をして、好意的に受け止めていましたが、ここへきて、小手先の対策では満足せず、何も動かないことへのいら立ちを少しずつ表すようになってきました。ユーロがじりじりと安くなっているのはそういうことだし、世界的に株安の連鎖になりつつあるのも、そうですね。「もう我慢できない」ということです。
ただ、リーマン・ショックでもそうでしたが、よほど切羽詰まった状況にならないと、何も動かないでしょうね。フランスや英国まで飛び火するかどうかは分かりませんが、少なくともイタリア以下は「アウト」です。だから、かねて指摘しているように、国家破綻の連鎖が止まらなくなるという前代未聞、史上最悪の金融恐慌が発生し、かなり深刻な状況に陥ることが予想されます。
だから、現時点で、あえて火中の栗を拾おうという動きは、あるわけはなく、実際にやばい状況になったら、「後出しじゃんけん」でお茶を濁そうということでしょう。積極的にババを抱え込もうという奴はいないわけで、最終的に貸し手としては、中国や日本ということになるのでしょうが、賢明にも両国とも、表面上は積極姿勢を示してはいるものの、踏み込んだ支援には乗り出してはいません。
ユーロが軟調といっても、1ユーロ=100円をキープしているわけだし、株価だって、額面上はまだまだ緊迫した状況ではありません。国債云々が言われていますが、「危険水準」の7%前後ですからね。所詮はそんなもんです。これが15%とか20%に跳ね上がれば話は別ですが。
もし、支援に踏み出すのであれば、せめてもうひと叩きはしたいところです。1ユーロ=90円とか、金利上昇にいよいよ歯止めがかからなくなったところで、ビジネス上の規制緩和とか、いざとなれば土地や建物を接収するとか、しっかり担保を確保した上で、相手にとって不利な条件で、手を差し伸べればいいだけの話です。
日本にとっては、ただそれだけの話なのですが、ここへ来て、米国がちょっかいをかけ始めましたね。日本の格下げみたいな話が唐突に出てくるというのは、彼らが「困ってますよ~」というサインです。馬鹿ですね。
欧州の金融不安で、ギリシャだけでなく、ポルトガルとか、スペインとか、イタリアとかの国債に対しても、債務を実質的に棒引きするというような事態になった場合、米国の金融機関が痛手を被る恐れが出てきました。
欧州は文化大国で、偉そうにいばりくさっていましたが、実は何のことはない、金融詐欺や不動産ころがしで、米国のお仲間だったということです。だから、欧米は一蓮托生。お互いに何かあれば、抱きつき心中せざるを得ない、深い関係にあるのです。
そして、ここでも米国にけしかけられて、米国の金融機関を支えるため、日本はカネを無理やり出さざるを得ない状況に追い込まれる可能性が出ています。日本の財政がやばいから消費税を上げさせる→そうやって捻出した金を欧米の金融支援にあてさせるという実に単純な構図です。
欧米の人たちも頭が悪いのか、今増税論議を始めたって、おそらく来年訪れるであろう、金融恐慌には間に合わないはずなんですよね。なりふり構わぬ方法で、カネを出させようという意図がありありだし、ここまで下品な要求をするくらい、困っているんだなぁということがうかがえ、ある意味、哀れを誘います。
彼らが没落するのは、もう時間の問題だし、こんなものは真に受けず、のらりくらりかわしていればいいのです。ババ抜き合戦は欧米人同士でやってくださいと。しかし、欧米人ってなんてバカなんでしょうね。人の持っているものを欲しがってばかりで根が卑しいし、本当に気持ちの悪い連中です。
最初のうちはマーケットも、大して成果も出ていないのに、「問題解決への一歩」みたいなポジティブな受け止め方をして、好意的に受け止めていましたが、ここへきて、小手先の対策では満足せず、何も動かないことへのいら立ちを少しずつ表すようになってきました。ユーロがじりじりと安くなっているのはそういうことだし、世界的に株安の連鎖になりつつあるのも、そうですね。「もう我慢できない」ということです。
ただ、リーマン・ショックでもそうでしたが、よほど切羽詰まった状況にならないと、何も動かないでしょうね。フランスや英国まで飛び火するかどうかは分かりませんが、少なくともイタリア以下は「アウト」です。だから、かねて指摘しているように、国家破綻の連鎖が止まらなくなるという前代未聞、史上最悪の金融恐慌が発生し、かなり深刻な状況に陥ることが予想されます。
だから、現時点で、あえて火中の栗を拾おうという動きは、あるわけはなく、実際にやばい状況になったら、「後出しじゃんけん」でお茶を濁そうということでしょう。積極的にババを抱え込もうという奴はいないわけで、最終的に貸し手としては、中国や日本ということになるのでしょうが、賢明にも両国とも、表面上は積極姿勢を示してはいるものの、踏み込んだ支援には乗り出してはいません。
ユーロが軟調といっても、1ユーロ=100円をキープしているわけだし、株価だって、額面上はまだまだ緊迫した状況ではありません。国債云々が言われていますが、「危険水準」の7%前後ですからね。所詮はそんなもんです。これが15%とか20%に跳ね上がれば話は別ですが。
もし、支援に踏み出すのであれば、せめてもうひと叩きはしたいところです。1ユーロ=90円とか、金利上昇にいよいよ歯止めがかからなくなったところで、ビジネス上の規制緩和とか、いざとなれば土地や建物を接収するとか、しっかり担保を確保した上で、相手にとって不利な条件で、手を差し伸べればいいだけの話です。
日本にとっては、ただそれだけの話なのですが、ここへ来て、米国がちょっかいをかけ始めましたね。日本の格下げみたいな話が唐突に出てくるというのは、彼らが「困ってますよ~」というサインです。馬鹿ですね。
欧州の金融不安で、ギリシャだけでなく、ポルトガルとか、スペインとか、イタリアとかの国債に対しても、債務を実質的に棒引きするというような事態になった場合、米国の金融機関が痛手を被る恐れが出てきました。
欧州は文化大国で、偉そうにいばりくさっていましたが、実は何のことはない、金融詐欺や不動産ころがしで、米国のお仲間だったということです。だから、欧米は一蓮托生。お互いに何かあれば、抱きつき心中せざるを得ない、深い関係にあるのです。
そして、ここでも米国にけしかけられて、米国の金融機関を支えるため、日本はカネを無理やり出さざるを得ない状況に追い込まれる可能性が出ています。日本の財政がやばいから消費税を上げさせる→そうやって捻出した金を欧米の金融支援にあてさせるという実に単純な構図です。
欧米の人たちも頭が悪いのか、今増税論議を始めたって、おそらく来年訪れるであろう、金融恐慌には間に合わないはずなんですよね。なりふり構わぬ方法で、カネを出させようという意図がありありだし、ここまで下品な要求をするくらい、困っているんだなぁということがうかがえ、ある意味、哀れを誘います。
彼らが没落するのは、もう時間の問題だし、こんなものは真に受けず、のらりくらりかわしていればいいのです。ババ抜き合戦は欧米人同士でやってくださいと。しかし、欧米人ってなんてバカなんでしょうね。人の持っているものを欲しがってばかりで根が卑しいし、本当に気持ちの悪い連中です。
毒舌
落語家の立川談志さんが死去したというニュース。昨日からニュースやワイドショーは談志さんの破天荒なエピソードなどを取り上げ、追悼で一色ですが、江戸っ子特有のきっぷのよさに加え、歯切れのいいしゃべりが、多くの人をひきつけ、毒舌で辛辣にもかかわらず、痛快で一種の清涼感があり、人との摩擦を恐れ、草食系が好まれる昨今、稀有の存在だったことが分かります。
私は、物心ついた時分にはもう、談志さんがブレイクしたピークは過ぎていたので、リアルタイムでの武勇伝はよく知らないのですが、過去のVTRを見ると、生きざまがカッコよく、あこがれますが、談志さんのようになれる力量やセンスはないと思います。
インタビューを受けた、桂歌丸師匠が「すごい芸だが、あれは我々にマネができるものではない」とおっしゃっていましたが、その通りですよね。
ただ、少し前までは、どんな組織でも、ちょっと皮肉が効いていて、それでいて嫌味がない、さっぱりした批判を加えることができる人が、必ず一人はいたと思います。そういう人がいることで、ガス抜きとなり、ちょっとした逃げ場を与えてくれる安全弁になっていましたが、最近は社会全体に余裕がなくなってしまい、そういう人は少なくなってしまいました。
また、自分自身も含めて、しょうもない大人が増えましたよね。自分の実力に自信がないから、談志さんのようにふるまおうとしても、野暮ったく、恥や醜さをさらすだけの話です。毒を吐きながらも、後腐れなく、逆に爽快感を与えるようなそんな存在は、高貴ですよね。だから、つまらない人間がまねしようとしても、とても届くような存在ではないのです。
ただ、そんな常人をはるかに超越したレベルには到達できないにしても、少し前の日本人は、物事にそれほど執着しない潔さがありましたよね。談志さんの話ぶりを聴くと、「古き良き日本人」のようなものを感じます。
カネだとか、地位だとか、体裁だとかにあまり執着せずに、社会に貢献することや、家族のために一心に働くといった自己犠牲の精神が、日本を支えた部分は大きいと思います。だからこそ、一時的ではありますが、経済大国として、世界が一目を置く国になれたわけで、アジアの各国も、日本の成功にあこがれたわけです。
中国は間違いなく、21世紀の超大国の地位に上り詰めると思いますが、あまりリスペクトされないというのは、そういう部分でしょうね。中国の経済発展のモデルなんて、別に目新しいものではないし、ある程度、豊かになっても、中国人の振る舞いは田舎臭く、しかも品がありません。
まあ、これも米国流の金融資本主義の毒が完全に回ってしまったということでしょうね。貧乏でも気にせず、心豊かに生きていけるというのが、セーフティーネットになっていましたが、つまらない目先だけの成果主義、実力主義が幅を利かせるようになり、日本人の美徳は失われてしまいました。
いまさらになって、大切な人を失ってしまったんだなぁと痛感させられますが、談志さんのようになれないにしても、体制や偏狭な組織の論理に流されず、自分なりに、潔く、美しい生き方を追求する努力は怠らないようにしたいものです。
心よりご冥福をお祈りします。
私は、物心ついた時分にはもう、談志さんがブレイクしたピークは過ぎていたので、リアルタイムでの武勇伝はよく知らないのですが、過去のVTRを見ると、生きざまがカッコよく、あこがれますが、談志さんのようになれる力量やセンスはないと思います。
インタビューを受けた、桂歌丸師匠が「すごい芸だが、あれは我々にマネができるものではない」とおっしゃっていましたが、その通りですよね。
ただ、少し前までは、どんな組織でも、ちょっと皮肉が効いていて、それでいて嫌味がない、さっぱりした批判を加えることができる人が、必ず一人はいたと思います。そういう人がいることで、ガス抜きとなり、ちょっとした逃げ場を与えてくれる安全弁になっていましたが、最近は社会全体に余裕がなくなってしまい、そういう人は少なくなってしまいました。
また、自分自身も含めて、しょうもない大人が増えましたよね。自分の実力に自信がないから、談志さんのようにふるまおうとしても、野暮ったく、恥や醜さをさらすだけの話です。毒を吐きながらも、後腐れなく、逆に爽快感を与えるようなそんな存在は、高貴ですよね。だから、つまらない人間がまねしようとしても、とても届くような存在ではないのです。
ただ、そんな常人をはるかに超越したレベルには到達できないにしても、少し前の日本人は、物事にそれほど執着しない潔さがありましたよね。談志さんの話ぶりを聴くと、「古き良き日本人」のようなものを感じます。
カネだとか、地位だとか、体裁だとかにあまり執着せずに、社会に貢献することや、家族のために一心に働くといった自己犠牲の精神が、日本を支えた部分は大きいと思います。だからこそ、一時的ではありますが、経済大国として、世界が一目を置く国になれたわけで、アジアの各国も、日本の成功にあこがれたわけです。
中国は間違いなく、21世紀の超大国の地位に上り詰めると思いますが、あまりリスペクトされないというのは、そういう部分でしょうね。中国の経済発展のモデルなんて、別に目新しいものではないし、ある程度、豊かになっても、中国人の振る舞いは田舎臭く、しかも品がありません。
まあ、これも米国流の金融資本主義の毒が完全に回ってしまったということでしょうね。貧乏でも気にせず、心豊かに生きていけるというのが、セーフティーネットになっていましたが、つまらない目先だけの成果主義、実力主義が幅を利かせるようになり、日本人の美徳は失われてしまいました。
いまさらになって、大切な人を失ってしまったんだなぁと痛感させられますが、談志さんのようになれないにしても、体制や偏狭な組織の論理に流されず、自分なりに、潔く、美しい生き方を追求する努力は怠らないようにしたいものです。
心よりご冥福をお祈りします。
勝負勘を磨く
金融市場が訳の分からない動きを続けるので、正常な状態に戻った時のために(果たしてそうなるかは疑問もありますが・・・)、トレードの基本的なことをまとめておきたいと思います。勝負勘については、これまでも繰り返し触れていますし、天性の勘を持っている人には必要のないものですが、普通の投資家には磨かなければならないものだし、ある程度努力すればカバーできる部分もあるので、あらためてまとめておきます。
野球に関心のある人は、日本シリーズで福岡ソフトバンクホークスと中日ドラゴンズのどちらが勝つか、予想は当たったでしょうか? 当たった人は自信を持っていいと思いますし、外した人は努力が必要です。
今回の日本シリーズはいい教科書になりましたね。私は、ご案内の通り、シーズン中、首都圏各地の球場で野球観戦しますので、監督の力量や投手力、打線などを細かく観察し、どのチームが強いか分析し、勝ち負けを予想します。
パリーグとセリーグを比べた場合、どう考えても、パリーグの方が総合力で勝っているし、交流戦でも露骨なまでに結果に表れましたね。その傾向はシーズン終盤でも変わりませんでした。むしろ、埼玉西武ライオンズのポテンシャルが開花し、緊張感が増したので、引き締まっていきました。そういう意味ではいいシーズンだったと思います。
ただ、ソフトバンクの日本シリーズでの戦いぶりははっきり言って最悪でした。野村克也氏がテレビ東京や昨日のTBSの中継で解説を務めていましたが、秋山監督の采配(投手交代、選手起用)に関して、疑問を挟む場面がありました。
私もソフトバンクが圧勝すると読んでいたのですが、ここまで中日に詰め寄られるとは思いませんでした。3勝同士で並び、中日が逆王手をかけた時は、正直、「えーっ!」という感じでやや動揺しましたが、最後は投手力、打線で一枚層が厚いソフトバンクが監督の力量の差をカバーし、かろうじて中日を出し抜きました。
ライバルが東京ヤクルトとか巨人とか、レベルの低いセリーグに対して、メジャーリーガー級の投手がゴロゴロいて、打撃力もあり、どのチームが勝ちあがってもおかしくないパリーグで優勝したパリーグの地力の違いですね。最終戦で中日は先発が山井というのはちょっと苦しいですね。相手が杉内ですから。
でも、中日は劣勢の中でよく戦ったと思います。対してソフトバンクは実力の割にお粗末な試合運びでした。野村氏が「(ソフトバンクは、いずれの試合でも)もっと点をとれたはず」と何度も苦言を呈していたのが印象的でした。
日本シリーズは「キャッチャー対決」とも言われますが、細川亨のリードがさえていたので、ここでもソフトバンクは監督の采配ミスが救済されました。中日・谷繁も球界を代表する捕手ですが、ややキレがなかったような気がしました。
今回の日本シリーズを総括すると、「地合が悪かった」ということになります。本来圧倒的な差で勝つべきチームが十分に実力を発揮できず、もたついてしまいました。これはトレードにも参考になります。
NYダウにしても日経先物にしてもドル・円にしても本来は、「ショート相場」なんですよ。吹いたところ、上昇したところをたたき売りさえすればいい。
でも、現実にはそううまくはいかないですよね。今年は何度も踏み上げで大損する人たちを目撃しました。今の金融市場の問題は実力通りにことが運ばないことにあります。
ドイツくらいしか健全な経済状況を維持できていないユーロが不自然に高止まりしていること、ドルが為替介入により叩き売りを阻止されていることで、相場が歪んでいます。また、金融緩和で不自然なボリュームの資金が株式市場に流れ込み、異常な株高状況(8000円台の日経平均でさえそうです)、となっています。
政策介入によって、市場の本来果たすべき価格形成機能が阻害され、極めていびつな地合になっているというのが現状です。普通に考えればこのような状況で株やドルを買う奴は馬鹿なのですが、政策介入で買い支えるのでお付き合いせざるを得ません。
こういう局面では、勝負勘が狂わされるので要注意です。思い返すと、今年のセリーグのペナントレースもそうでしたね。節電とやらで午後9時半を過ぎると延長をしないという特別ルールを設けたので、東京ヤクルトが必要以上に強くなってしまいました。
まあ、ヤクルトファンの私としては「もしかして10年ぶり優勝?」と、ちょっとだけ錯覚したわけですが、実際に球場で試合を見て、予想は修正しました。優勝するなら中日だろうなということもうすうす感じていました。
好きな球団なのでばっさり切り捨てるというのはドライだし、忍びないのですが、勝負事にかかわるとはそういうものです。トレードを続けていく以上は宿命ですね。ビジネスでもそういう部分は大きいと思います。
「ダメなものはダメ」と言う勇気も必要なのです。だから、そう考えていくと、人生つまらないものになってしまうのですが、もしトレード、勝負事、あるいはシビアなビジネスの世界に携わり続けたいなら、そこは割り切るしか仕方がありません。
そして、「癒し」というのは、厳しい世界と人間的な感性との間のギャップを埋めるために存在するのだろうと思います。利益を還元するという考え方も大切ですね。
勝負勘を磨くには、様々な情報を貪欲に入手し、何が強いのか弱いのか、盛り上がっているのか衰退しているのか、世の中から必要とされているのか、もはや用なしなのか識別する作業に尽きると思います。
テクニカルだけでなく、ファンダメンタルを重視しなければならないと私が考える理由はそこにあります。そして、本来あるべき方向に物事は進むんですよね。だから、それを予想して、ロングなりショートをかけるのが投資というものです。
そういう意味では、為替介入を予想して、ドルをロングするというのは、決して正しいやり方ではないですね。これは自分自身への戒めの意味でも指摘しておきます。
年末にかけて、まだまだいろんな動きがあると思いますが、少なくとも世界経済は、現在の株価、為替の価格水準が示しているような状況ではないということは言えると思います。ただ、政策介入でおかしな動きをするので、面倒な状況になっています。
最終的に総合力で上回るソフトバンク勝利で日本シリーズが幕を下ろしたように、欧州の破綻国は、堕ちるところまで堕ちるでしょうし、実力もないのに偉そうにいばりくさっている米国も同様です。
予想外の動きが続くので、勝負勘が狂わされますが、大局観を見失わないことが大切です。
野球に関心のある人は、日本シリーズで福岡ソフトバンクホークスと中日ドラゴンズのどちらが勝つか、予想は当たったでしょうか? 当たった人は自信を持っていいと思いますし、外した人は努力が必要です。
今回の日本シリーズはいい教科書になりましたね。私は、ご案内の通り、シーズン中、首都圏各地の球場で野球観戦しますので、監督の力量や投手力、打線などを細かく観察し、どのチームが強いか分析し、勝ち負けを予想します。
パリーグとセリーグを比べた場合、どう考えても、パリーグの方が総合力で勝っているし、交流戦でも露骨なまでに結果に表れましたね。その傾向はシーズン終盤でも変わりませんでした。むしろ、埼玉西武ライオンズのポテンシャルが開花し、緊張感が増したので、引き締まっていきました。そういう意味ではいいシーズンだったと思います。
ただ、ソフトバンクの日本シリーズでの戦いぶりははっきり言って最悪でした。野村克也氏がテレビ東京や昨日のTBSの中継で解説を務めていましたが、秋山監督の采配(投手交代、選手起用)に関して、疑問を挟む場面がありました。
私もソフトバンクが圧勝すると読んでいたのですが、ここまで中日に詰め寄られるとは思いませんでした。3勝同士で並び、中日が逆王手をかけた時は、正直、「えーっ!」という感じでやや動揺しましたが、最後は投手力、打線で一枚層が厚いソフトバンクが監督の力量の差をカバーし、かろうじて中日を出し抜きました。
ライバルが東京ヤクルトとか巨人とか、レベルの低いセリーグに対して、メジャーリーガー級の投手がゴロゴロいて、打撃力もあり、どのチームが勝ちあがってもおかしくないパリーグで優勝したパリーグの地力の違いですね。最終戦で中日は先発が山井というのはちょっと苦しいですね。相手が杉内ですから。
でも、中日は劣勢の中でよく戦ったと思います。対してソフトバンクは実力の割にお粗末な試合運びでした。野村氏が「(ソフトバンクは、いずれの試合でも)もっと点をとれたはず」と何度も苦言を呈していたのが印象的でした。
日本シリーズは「キャッチャー対決」とも言われますが、細川亨のリードがさえていたので、ここでもソフトバンクは監督の采配ミスが救済されました。中日・谷繁も球界を代表する捕手ですが、ややキレがなかったような気がしました。
今回の日本シリーズを総括すると、「地合が悪かった」ということになります。本来圧倒的な差で勝つべきチームが十分に実力を発揮できず、もたついてしまいました。これはトレードにも参考になります。
NYダウにしても日経先物にしてもドル・円にしても本来は、「ショート相場」なんですよ。吹いたところ、上昇したところをたたき売りさえすればいい。
でも、現実にはそううまくはいかないですよね。今年は何度も踏み上げで大損する人たちを目撃しました。今の金融市場の問題は実力通りにことが運ばないことにあります。
ドイツくらいしか健全な経済状況を維持できていないユーロが不自然に高止まりしていること、ドルが為替介入により叩き売りを阻止されていることで、相場が歪んでいます。また、金融緩和で不自然なボリュームの資金が株式市場に流れ込み、異常な株高状況(8000円台の日経平均でさえそうです)、となっています。
政策介入によって、市場の本来果たすべき価格形成機能が阻害され、極めていびつな地合になっているというのが現状です。普通に考えればこのような状況で株やドルを買う奴は馬鹿なのですが、政策介入で買い支えるのでお付き合いせざるを得ません。
こういう局面では、勝負勘が狂わされるので要注意です。思い返すと、今年のセリーグのペナントレースもそうでしたね。節電とやらで午後9時半を過ぎると延長をしないという特別ルールを設けたので、東京ヤクルトが必要以上に強くなってしまいました。
まあ、ヤクルトファンの私としては「もしかして10年ぶり優勝?」と、ちょっとだけ錯覚したわけですが、実際に球場で試合を見て、予想は修正しました。優勝するなら中日だろうなということもうすうす感じていました。
好きな球団なのでばっさり切り捨てるというのはドライだし、忍びないのですが、勝負事にかかわるとはそういうものです。トレードを続けていく以上は宿命ですね。ビジネスでもそういう部分は大きいと思います。
「ダメなものはダメ」と言う勇気も必要なのです。だから、そう考えていくと、人生つまらないものになってしまうのですが、もしトレード、勝負事、あるいはシビアなビジネスの世界に携わり続けたいなら、そこは割り切るしか仕方がありません。
そして、「癒し」というのは、厳しい世界と人間的な感性との間のギャップを埋めるために存在するのだろうと思います。利益を還元するという考え方も大切ですね。
勝負勘を磨くには、様々な情報を貪欲に入手し、何が強いのか弱いのか、盛り上がっているのか衰退しているのか、世の中から必要とされているのか、もはや用なしなのか識別する作業に尽きると思います。
テクニカルだけでなく、ファンダメンタルを重視しなければならないと私が考える理由はそこにあります。そして、本来あるべき方向に物事は進むんですよね。だから、それを予想して、ロングなりショートをかけるのが投資というものです。
そういう意味では、為替介入を予想して、ドルをロングするというのは、決して正しいやり方ではないですね。これは自分自身への戒めの意味でも指摘しておきます。
年末にかけて、まだまだいろんな動きがあると思いますが、少なくとも世界経済は、現在の株価、為替の価格水準が示しているような状況ではないということは言えると思います。ただ、政策介入でおかしな動きをするので、面倒な状況になっています。
最終的に総合力で上回るソフトバンク勝利で日本シリーズが幕を下ろしたように、欧州の破綻国は、堕ちるところまで堕ちるでしょうし、実力もないのに偉そうにいばりくさっている米国も同様です。
予想外の動きが続くので、勝負勘が狂わされますが、大局観を見失わないことが大切です。
落ちぶれた世界帝国
インドネシアのバリ島で開かれていた、東アジアサミットが昨日閉幕しましたが、ニュースとして大きく取り上げられたのは、米国と中国の対立が鮮明化しつつあるということです。今回の会議ではこのところ「東アジアへの積極関与」を強く打ち出し、南シナ海の南沙諸島の領有権問題で口出しをしようとする米国に対し、東アジアでの米国の影響力を排除したい中国が真っ向からぶつかり合いました。
新たな冷戦の勃発かのようにも見えますが、米国はもはやかつてのような国力はなく、というか常日頃指摘しているように国家破綻状態であり、しかも、米国債を大量保有する“中国様”に対して、まともに対峙できるのか疑問です。
米国は表面的には中国と敵対しつつも、日本やベトナム、フィリピンなんかをけしかけて、中国と緊張関係にして、漁夫の利を得ようとしている魂胆が垣間見られるし、米国債だけでなく、経済的にも成長著しい、中国への依存度は高まりつつあるので、本気で渡り合うつもりはないと考えた方がいいでしょうね。
まあ、来年、国家破綻してしまうのか、再来年になるのかは、まだ分かりませんが、最後の悪あがきでしょうか。世界帝国として一応、力を誇示しようとしているとも受け取れます。
「東アジア」の会議のために、わざわざ、太平洋のかなたから、大統領と国務長官がお越しになったようですが、相変わらず上から目線で、何ら建設的な提案を出せず、要はにらみをきかせたいだけの話で、ますます地域でのプレゼンスを高める中国とそれに対応しようとしている周辺国との間にできつつある新たな関係に対し、報道を見る限り、十分把握しているとは思えないし、また、東アジアで「米国抜き」で新しい国際秩序ができつつあることを覆すことはできないでしょう。
19世紀にフィリピンをスペインから奪い、日本に黒船をけしかけ、第2次世界大戦で完全に東アジアを影響下に置いたという歴史的経緯があり、沖縄をはじめ各地に軍隊を駐留させ、政治的なプレゼンスはいまだに大きいと思いますが、巨大な軍隊を東アジアに展開することは、もはや財政的に持ちこたえられなくなっており、今回の東アジアサミットで虚勢を張るのは、“最後っ屁”みたいなものでしょうね。
(馬鹿女)ヒラリーさんなんかの発言を見る限り、いまだに「世界のリーダー」を自任しているらしいですけれど、米国が世界各国でやってきた傍若無人なふるまいを考えると、しらじらしいことこの上ないし、ある程度、自らの利益追求を自制し、良好な関係を築こうとする努力を怠ってきたつけが回りつつあるということです。
領土問題で米国をからめて中国を牽制しようとする思惑も一部にはありますが、本気で期待はしていないでしょう。一応は保険として米国の顔を立てつつも、米国が脱落した後のことを視野に入れ、中国との対話を重視するというスタンスがほとんどの国の対応ではないでしょうか。
20年ほど前なら、米国はまだ太っ腹な部分を残していて、あこがれの対象でもありましたが、この頃は第三世界でも見られないくらいの貧困国に落ちぶれてしまい、自分の利益しか考えない、卑しい国に成り下がってしまったので、各国から見放されつつあるというのがさらに明確になったのも今回の東アジアサミットでした。
いまだに米国の顔色ばかりうかがい、新たな国際情勢に対応しようとしない、日本の姿勢は、見ていてこっけいだし哀れでした。落ちぶれた、ストーカーみたいな国家をいまだに“ご主人様”と信じ込んでいる、政治家、官僚はいいかげん目を覚ますべきでしょう。
新たな冷戦の勃発かのようにも見えますが、米国はもはやかつてのような国力はなく、というか常日頃指摘しているように国家破綻状態であり、しかも、米国債を大量保有する“中国様”に対して、まともに対峙できるのか疑問です。
米国は表面的には中国と敵対しつつも、日本やベトナム、フィリピンなんかをけしかけて、中国と緊張関係にして、漁夫の利を得ようとしている魂胆が垣間見られるし、米国債だけでなく、経済的にも成長著しい、中国への依存度は高まりつつあるので、本気で渡り合うつもりはないと考えた方がいいでしょうね。
まあ、来年、国家破綻してしまうのか、再来年になるのかは、まだ分かりませんが、最後の悪あがきでしょうか。世界帝国として一応、力を誇示しようとしているとも受け取れます。
「東アジア」の会議のために、わざわざ、太平洋のかなたから、大統領と国務長官がお越しになったようですが、相変わらず上から目線で、何ら建設的な提案を出せず、要はにらみをきかせたいだけの話で、ますます地域でのプレゼンスを高める中国とそれに対応しようとしている周辺国との間にできつつある新たな関係に対し、報道を見る限り、十分把握しているとは思えないし、また、東アジアで「米国抜き」で新しい国際秩序ができつつあることを覆すことはできないでしょう。
19世紀にフィリピンをスペインから奪い、日本に黒船をけしかけ、第2次世界大戦で完全に東アジアを影響下に置いたという歴史的経緯があり、沖縄をはじめ各地に軍隊を駐留させ、政治的なプレゼンスはいまだに大きいと思いますが、巨大な軍隊を東アジアに展開することは、もはや財政的に持ちこたえられなくなっており、今回の東アジアサミットで虚勢を張るのは、“最後っ屁”みたいなものでしょうね。
(馬鹿女)ヒラリーさんなんかの発言を見る限り、いまだに「世界のリーダー」を自任しているらしいですけれど、米国が世界各国でやってきた傍若無人なふるまいを考えると、しらじらしいことこの上ないし、ある程度、自らの利益追求を自制し、良好な関係を築こうとする努力を怠ってきたつけが回りつつあるということです。
領土問題で米国をからめて中国を牽制しようとする思惑も一部にはありますが、本気で期待はしていないでしょう。一応は保険として米国の顔を立てつつも、米国が脱落した後のことを視野に入れ、中国との対話を重視するというスタンスがほとんどの国の対応ではないでしょうか。
20年ほど前なら、米国はまだ太っ腹な部分を残していて、あこがれの対象でもありましたが、この頃は第三世界でも見られないくらいの貧困国に落ちぶれてしまい、自分の利益しか考えない、卑しい国に成り下がってしまったので、各国から見放されつつあるというのがさらに明確になったのも今回の東アジアサミットでした。
いまだに米国の顔色ばかりうかがい、新たな国際情勢に対応しようとしない、日本の姿勢は、見ていてこっけいだし哀れでした。落ちぶれた、ストーカーみたいな国家をいまだに“ご主人様”と信じ込んでいる、政治家、官僚はいいかげん目を覚ますべきでしょう。