ユーロ危機はいったん収束して(したことにして)しばらくは、堅調な局面に移行するという予測は、マーケットの反応を見る限り、現時点では難しいようです。このところ3日おきぐらいに相場の様相ががらりと変わるので、目先の動きに一喜一憂して、安易に相場に対する見方を変えるのは良くないのかもしれません。それに1週間も経てば、雲が晴れて視界が良くなり、上にも下にも、明確な展開が開ける可能性も大いにあります。なので、基本的には話半分であるということを、おことわりしておきます。
ただ、一時的に上昇、下落が鮮明になったとしても、長続きはしないと思いますので、何らかのポジションを立てた場合の注意事項としては、有効なのではないかと考え、まとめておきます。
7月上旬だったと思いますが、海外のメディアのマーケットコメントで、ドル・円相場について、“enigmatic”であると評していたのが印象的でした。
ご承知の通り、enigmaとは、第2次世界大戦中にドイツ軍が使用していた暗号機、あるいは暗号そのもののことです。開発当初は、最新の技術で、解読するのは難解とされていましたが、大戦のかなり早い段階で解読できていたとみられ、当初、劣勢だった連合国側が徐々に形勢を逆転するのに、一定の貢献があったことでしょう。
enigmaという言葉の響きから、謎めいた感じがしますね。このドイツ軍のenigmaが転じて、謎めいたこと、ものを示す単語になっています。
最近の金融相場の動きはまさに、このenigmaという言葉で表現するのがぴったりではないでしょうか? 私はドル・円を中心に見ていますが、昨年後半以降、特に9月に為替介入が行われてからの値動きは難解で、まさにenigmaです。
日経先物もenigmaicですね。たまに分かりやすい動きをすることがありますが、特に日中なんかは上にも下にも動けず、ドル・円以上に謎めいた動きをする時間帯が非常に多くなっています。
日中の細かい動き、売買動向をしっかりウォッチしないと、「暗号」を解読できない状況になっています。火曜日の値動きから水曜日夕方から深夜、未明にかけての上昇は、よほど訓練して分析力をつけないと読みづらいでしょうね。
私は、完全に新たな局面に移行したものとばかり思っていましたが、昨日夕方にドルがあっけなく値を消してしまい、それに追随するように日経先物もどんよりとした動きになり、楽観的なシナリオを否定せざるを得なくなりました。
enigmaticな動きになる理由は、先行きが全く不透明である(基本的には世界恐慌の一歩手前である)ということと、このような状況下で、金融緩和とか為替介入とか、不自然な政策を強行しようとしていることにほかなりません。政治がマーケットをゆがめているからこういう事態になってしまうのです。
私は基本的にはenigmaを解読する自信はあります(あるつもりです)が、非常に疲れるんですよね。それでいて値幅も知れているので、労多くして利益が少ないという割に合わない思いをすることがあります。
だから、まともに付き合うべき相場地合いではないということです。私にとっては主戦場のドル・円で大きな値動きを逃すのは非常に悔しいですが、先物のミニ1枚チャレンジは、基本的には定期預金、投資信託、個人向け国債よりも、はるかに高い利回りを目指しているので、時々、ちょこちょこ稼げばいいかなというスタンスです。
あまりのめり込んでいいことは何一つありませんからね。今の金融市場は。時々、ちょっとしたボーナスが転がり込んでくるという方が、幸せだし、楽しんで取り組めるのではないでしょうか。最近は、ばかばかしいし、面倒くさいので、細かい集計はしていませんが、6月下旬時点と比べると、資産は2倍強に増えていますからね。元本は約8万円と、微々たるものですが、4カ月で倍にできたというのは、下手なヘッジファンドより上出来ではないでしょうかね。と、自画自賛してみます。まあ、もっと稼げるチャンスがあるにはあったのですが。
まあ、とにかく市場のキーワードは、enigma、エニグマです。日々謎解きをしていかないと、何も得られないということです。信じるか信じないかは別にして、読み解くキーワードは発信していきたいと思います。
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反省
昨日のドルの底打ち(のような動き)で、完全にあく抜けしたと確信したんですがね。これは私の読み誤りです。率直に反省したいと思います。
77.20を抜けたあたりから、勢いがなくなったので、嫌な感じはしていたのですが、やはり、素直に直感を信じるべきでしたね。潮目の変化を読むのが遅れました。
一昨日のぐずぐずした動きからの上昇は完璧に読めたのですが、その後が分かりにくかった。というより、完全に上昇目線でイケイケで、判断が鈍りました。
詰めが甘すぎます。まだまだ未熟ですな。
77.20を抜けたあたりから、勢いがなくなったので、嫌な感じはしていたのですが、やはり、素直に直感を信じるべきでしたね。潮目の変化を読むのが遅れました。
一昨日のぐずぐずした動きからの上昇は完璧に読めたのですが、その後が分かりにくかった。というより、完全に上昇目線でイケイケで、判断が鈍りました。
詰めが甘すぎます。まだまだ未熟ですな。
新展開
ユーロ問題について、解決期待から、NYダウ、日経先物、ドル・円、ユーロ・円はいずれもリスク回避方向に動いています。上昇基調が続くのか、もしそうなったとして、どのくらいの期間、値幅になるのか、まったく見当が付きませんが、久々に胸のすくような分かりやすい動きを見せてくれました。
為替も先物も7月上旬にピークをつけて以来、軟調な動きが続いてきましたが、下げ渋りながらの下落で、ショートではとりにくい局面でした。私の先物ミニ1枚チャレンジも、ほとんど下げたところをロングで拾うという感じだったと思います。
売りにくかったので、リーマン・ショック前みたいに下げ渋って、ある時、ズドンとさげる展開かとも思いましたが、下値を売り崩す動きは限定的で、2カ月近くにわたってやっかいな動きが続いた後、上昇に転じました。
売りにくい局面は、二つの意味合いがありますね。大暴落の予兆か、下落から上昇に転じる兆しのいずれかです。今回は前者のような感じで、私もそう信じて疑いませんでしたが、結局後者でしたね。
一昨日深夜、相場の変化に気づいたのは、スロバキア云々がクローズ・アップされ、さかんに危機を煽っているにもかかわらず、悠長な動きを続けていることや、ここ1、2か月の動きを見ていて、下値を攻めるには、そろそろタイム・オーバーかなぁというテクニカル的な理由からです。
私は一昨日深夜、77.74でロングをかけ、一応逆指値でロスカットを指定した上で、放置していました。昨日夕方に76.31まで下げるのも織り込み済みです。先物は「どうやらアク抜けしたのかなぁ」というチャートの形状をしていましたが、ドル・円はチャートからみて、まだもう一度、下値を確認しないと落ち着かなさそうな形勢でした。
下げるのを待って、ロングを仕込めば、より値幅を稼げたのですが、昨日日中は予定(遊びに行く)があったので、乗り遅れると嫌だったこともあり、さっさと仕込んで放置していました。日中、時々、スマホで先物、ドル・円をチェックしていましたが、動きが悪く、歯がゆい思いでした。それだけに動いてくれた時は喜びもひとしおでした。
上昇を予測できた、もう一つの理由は、季節性ですね。毎年、秋口は比較的、株もドル・円も上昇しやすい時期です。それに、世界的に景気の先行き不透明感は強まっていますが、企業業績にはまだ波及しておらず、また、このところの米国の経済指標なんかみていても、まだ余裕がありますからね。
ここでわざわざ、半年先に景気が大幅に落ち込むということを織り込む必要があるのか? マーケットはもう少し様子を見たいのではないか? と思いました。
まだ、軽々に予測するのは早計だとは思いますが、今後、1~2か月は上昇基調で時間稼ぎをするのではないかと思っています。でないと、価格の持っていき場がありません。いつまでも日経平均8500円、1ドル=76円台中盤あたりでうろうろすることはできないでしょう。
どうしようもない状況に変わりはないのですが、米国はしばらくは悪あがきして、破綻を回避したいみたいです。それもこの1、2カ月の動きから何となく感じられましたね。
このところ米国の要人がユーロ危機に対して、けん制する発言が多く聞かれ、欧州各国に対して、「何とかしろ」と、対処を促す動きが続いていました。クリスマス休みあたりまでは、崩壊は回避したいというような意図が垣間見られました。
まあ、今月20日あたりですかね。ギリシャ支援の具体策が打ち出されるみたいですし、近々に、金融情勢が切迫した状況に陥ることは、やや考えづらい状況です。
ただ、株価が上昇し、ドルやユーロに対して、円安になってはいるものの、問題は何一つ解決しておらず、解決する見込みもありません。単に先送りしただけの話です。これはギリシャ問題だけでなく、他の欧州各国の財政、そして大御所米国財政についても同様です。
誰も欧米のソブリン問題を解決できる妙案を持ち合わせておらず、いずれ何らかの形でひずみが表面化すると思われますが、それはいつになるかわかりません。
上昇局面が続くと、つい気が緩み、安易なトレードに走ってしまいがちですが、常に気を緩めず、感性を敏感に研ぎ澄ませておくことが大切ですね。
為替も先物も7月上旬にピークをつけて以来、軟調な動きが続いてきましたが、下げ渋りながらの下落で、ショートではとりにくい局面でした。私の先物ミニ1枚チャレンジも、ほとんど下げたところをロングで拾うという感じだったと思います。
売りにくかったので、リーマン・ショック前みたいに下げ渋って、ある時、ズドンとさげる展開かとも思いましたが、下値を売り崩す動きは限定的で、2カ月近くにわたってやっかいな動きが続いた後、上昇に転じました。
売りにくい局面は、二つの意味合いがありますね。大暴落の予兆か、下落から上昇に転じる兆しのいずれかです。今回は前者のような感じで、私もそう信じて疑いませんでしたが、結局後者でしたね。
一昨日深夜、相場の変化に気づいたのは、スロバキア云々がクローズ・アップされ、さかんに危機を煽っているにもかかわらず、悠長な動きを続けていることや、ここ1、2か月の動きを見ていて、下値を攻めるには、そろそろタイム・オーバーかなぁというテクニカル的な理由からです。
私は一昨日深夜、77.74でロングをかけ、一応逆指値でロスカットを指定した上で、放置していました。昨日夕方に76.31まで下げるのも織り込み済みです。先物は「どうやらアク抜けしたのかなぁ」というチャートの形状をしていましたが、ドル・円はチャートからみて、まだもう一度、下値を確認しないと落ち着かなさそうな形勢でした。
下げるのを待って、ロングを仕込めば、より値幅を稼げたのですが、昨日日中は予定(遊びに行く)があったので、乗り遅れると嫌だったこともあり、さっさと仕込んで放置していました。日中、時々、スマホで先物、ドル・円をチェックしていましたが、動きが悪く、歯がゆい思いでした。それだけに動いてくれた時は喜びもひとしおでした。
上昇を予測できた、もう一つの理由は、季節性ですね。毎年、秋口は比較的、株もドル・円も上昇しやすい時期です。それに、世界的に景気の先行き不透明感は強まっていますが、企業業績にはまだ波及しておらず、また、このところの米国の経済指標なんかみていても、まだ余裕がありますからね。
ここでわざわざ、半年先に景気が大幅に落ち込むということを織り込む必要があるのか? マーケットはもう少し様子を見たいのではないか? と思いました。
まだ、軽々に予測するのは早計だとは思いますが、今後、1~2か月は上昇基調で時間稼ぎをするのではないかと思っています。でないと、価格の持っていき場がありません。いつまでも日経平均8500円、1ドル=76円台中盤あたりでうろうろすることはできないでしょう。
どうしようもない状況に変わりはないのですが、米国はしばらくは悪あがきして、破綻を回避したいみたいです。それもこの1、2カ月の動きから何となく感じられましたね。
このところ米国の要人がユーロ危機に対して、けん制する発言が多く聞かれ、欧州各国に対して、「何とかしろ」と、対処を促す動きが続いていました。クリスマス休みあたりまでは、崩壊は回避したいというような意図が垣間見られました。
まあ、今月20日あたりですかね。ギリシャ支援の具体策が打ち出されるみたいですし、近々に、金融情勢が切迫した状況に陥ることは、やや考えづらい状況です。
ただ、株価が上昇し、ドルやユーロに対して、円安になってはいるものの、問題は何一つ解決しておらず、解決する見込みもありません。単に先送りしただけの話です。これはギリシャ問題だけでなく、他の欧州各国の財政、そして大御所米国財政についても同様です。
誰も欧米のソブリン問題を解決できる妙案を持ち合わせておらず、いずれ何らかの形でひずみが表面化すると思われますが、それはいつになるかわかりません。
上昇局面が続くと、つい気が緩み、安易なトレードに走ってしまいがちですが、常に気を緩めず、感性を敏感に研ぎ澄ませておくことが大切ですね。
勝負事
わが東京ヤクルトスワローズは、ペナントレースの行方を決する重要な中日ドラゴンズ戦に2連敗。石川、館山の両エースを投入してこの結果なので、これでほぼ優勝の目がなくなったとみていいのではないでしょうか。
中日4連戦。日本シリーズやトーナメント戦で戦う感覚で、臨まないといけないはずなのですが、何ら工夫がありませんでした。初戦では絶対に負けてはいけないはずなのですが、粘りも何もなくあっけなく負けてしまいました。2戦目も同様ですね。もし、いい勝負をするようであれば本日、名古屋に乗り込んで、ヤクルトを応援するつもりでしたが、行く必要はありませんでしたね。本日はラーメンを食べに郊外に出かけています。
先週金曜日の神宮球場でのヤクルト・広島東洋カープ戦の観戦記でも少し触れましたが、ヤクルトに優勝するチームのオーラとか勢いがないんですよね。勝ちに対する執念も感じられない。これに対して中日は、常勝軍団と呼ぶにふさわしい底力があり、一試合一試合、細かい勝負にこだわってきました。
常識的に考えて、中日の方がチャンピオンチームにふさわしいし、そうあるべきだと思います。ヤクルトに勝機があるとすれば、何かこの局面をひっくり返す、突拍子もないきっかけが必要です。例えば、打者の誰かが突然、猛烈な勢いで当たり出すとか、ダメもとで投入したピッチャーが大車輪の活躍をするとか。まあ、無理でしょう。なぜか野村克也氏は、1カ月ほど前、ヤクルトが逃げ切ると予想していたのは不思議でしたが。
ヤクルトファンですが、今シーズンのヤクルトのゲームを観戦してきて、私なりに情報収集をし、冷静に分析すると、そのように突き放さざると得ない状況です。勝つ理由がないのに勝っても別にうれしくないですしね。正々堂々と力を発揮して勝つのが正道ではないでしょうかね。10年ぶりの優勝に心が沸き立つ面もないではないですが、これが勝負の世界です。
以前にも何度か指摘していますが、トレードの世界、投資の世界に今後も末永く、関わっていきたいとお考えの方は、是非、勝負事に関心をもってください。勝負事とトレード、投資は共通点が非常に多く、相場観を養うには、勝ち負けの予想をすることがうってつけです。
現在のセ・リーグのペナント・レース予想は、またとない教材だと思いますし、もし野球に興味がなければ、ご自身の関心のある分野でいいと思います。サッカーでも相撲でもラグビーでも何でもいいし、スポーツでなくてもいいです。将棋とか囲碁、麻雀なんかも面白いですよね。
分かりやすい勝負事でなくても、3年後、アップルとサムスンのどちらがスマートフォン界を制しているかとか、すき屋、松屋に水をあけられた、吉野家は巻き返せるかとか、いろんな角度で強弱を判断するのもいいですね。
私は7月に大騒ぎしていましたが、日曜日9時に放映していたドラマ、フジテレビ「マルモのおきて」の視聴率がTBS「JIN-仁-」を上回るか? というのも興味深かったです。私が応援したマルモは負けてしまいましたが・・・。
勝負事は、たいていの場合、①基礎能力②勢い③運-の三つで決まります。ヤクルトは①で中日に劣っていますが、②、③で上回っていたので、途中まで首位を独走していました。でも、①の要素が一番大きいですね。コンスタントに勝てないのはやはり弱い。
勝負の予想をするには、情報収集が大切ですが、①を見極める作業が大半になると思います。そのチームは強いのか?弱いのか? その企業は何が強みで、業界で生き残っていけるのか?埋もれてしまうのか? それを把握するためにさまざまな情報を集めることになります。②、③はその中で付随的に把握できると思います。
さらにこれを応用して、「米国は国家破綻するか?」を考えると面白いでしょう。米国は経済に関して基礎能力は、金融面で強いとは思いますが、それも政治、軍事力があってのこと。国家経営、国民経済という観点からはすでに手の付けられない状況で、総合的にみて基礎能力は劣っている。
②は軍事力にまかせて、一時期、手の付けられない状態でしたが、今は財政上の問題もあってすっかりしぼんでしまいましたね。すっかり意気消沈した状態です。③ももうないでしょうね。ニューヨークで巨大地震でもあれば、世界中の人が同情してくれるかもしれませんが、それを運というのかどうか。
「日本は金融恐慌を生き残れるか?」ということを考えると、①は軍事力、政治力を除いて極めて高い。②は米国に押さえつけられていますが、解放されれば伸びる余地があります。③はあるかもしれないし、ないかもしれない。でも米国と違い世界からは嫌われていないので、今までの善意が何らかの形で返ってくるかもしれませんね。
私はポテンシャルのある日本に生きていてよかったと思います。米国は「負け」が決まっているようなもんですから。ヤクルトファンはその気になればいつでもやめられますが、日本人をやめるのは難しいですからね。
勝てる国に住んでいるというのは幸せなことだし、私たちは勝てる状態を維持するために努力しなければなりません。そして次の世代につながないといけませんね。
中日4連戦。日本シリーズやトーナメント戦で戦う感覚で、臨まないといけないはずなのですが、何ら工夫がありませんでした。初戦では絶対に負けてはいけないはずなのですが、粘りも何もなくあっけなく負けてしまいました。2戦目も同様ですね。もし、いい勝負をするようであれば本日、名古屋に乗り込んで、ヤクルトを応援するつもりでしたが、行く必要はありませんでしたね。本日はラーメンを食べに郊外に出かけています。
先週金曜日の神宮球場でのヤクルト・広島東洋カープ戦の観戦記でも少し触れましたが、ヤクルトに優勝するチームのオーラとか勢いがないんですよね。勝ちに対する執念も感じられない。これに対して中日は、常勝軍団と呼ぶにふさわしい底力があり、一試合一試合、細かい勝負にこだわってきました。
常識的に考えて、中日の方がチャンピオンチームにふさわしいし、そうあるべきだと思います。ヤクルトに勝機があるとすれば、何かこの局面をひっくり返す、突拍子もないきっかけが必要です。例えば、打者の誰かが突然、猛烈な勢いで当たり出すとか、ダメもとで投入したピッチャーが大車輪の活躍をするとか。まあ、無理でしょう。なぜか野村克也氏は、1カ月ほど前、ヤクルトが逃げ切ると予想していたのは不思議でしたが。
ヤクルトファンですが、今シーズンのヤクルトのゲームを観戦してきて、私なりに情報収集をし、冷静に分析すると、そのように突き放さざると得ない状況です。勝つ理由がないのに勝っても別にうれしくないですしね。正々堂々と力を発揮して勝つのが正道ではないでしょうかね。10年ぶりの優勝に心が沸き立つ面もないではないですが、これが勝負の世界です。
以前にも何度か指摘していますが、トレードの世界、投資の世界に今後も末永く、関わっていきたいとお考えの方は、是非、勝負事に関心をもってください。勝負事とトレード、投資は共通点が非常に多く、相場観を養うには、勝ち負けの予想をすることがうってつけです。
現在のセ・リーグのペナント・レース予想は、またとない教材だと思いますし、もし野球に興味がなければ、ご自身の関心のある分野でいいと思います。サッカーでも相撲でもラグビーでも何でもいいし、スポーツでなくてもいいです。将棋とか囲碁、麻雀なんかも面白いですよね。
分かりやすい勝負事でなくても、3年後、アップルとサムスンのどちらがスマートフォン界を制しているかとか、すき屋、松屋に水をあけられた、吉野家は巻き返せるかとか、いろんな角度で強弱を判断するのもいいですね。
私は7月に大騒ぎしていましたが、日曜日9時に放映していたドラマ、フジテレビ「マルモのおきて」の視聴率がTBS「JIN-仁-」を上回るか? というのも興味深かったです。私が応援したマルモは負けてしまいましたが・・・。
勝負事は、たいていの場合、①基礎能力②勢い③運-の三つで決まります。ヤクルトは①で中日に劣っていますが、②、③で上回っていたので、途中まで首位を独走していました。でも、①の要素が一番大きいですね。コンスタントに勝てないのはやはり弱い。
勝負の予想をするには、情報収集が大切ですが、①を見極める作業が大半になると思います。そのチームは強いのか?弱いのか? その企業は何が強みで、業界で生き残っていけるのか?埋もれてしまうのか? それを把握するためにさまざまな情報を集めることになります。②、③はその中で付随的に把握できると思います。
さらにこれを応用して、「米国は国家破綻するか?」を考えると面白いでしょう。米国は経済に関して基礎能力は、金融面で強いとは思いますが、それも政治、軍事力があってのこと。国家経営、国民経済という観点からはすでに手の付けられない状況で、総合的にみて基礎能力は劣っている。
②は軍事力にまかせて、一時期、手の付けられない状態でしたが、今は財政上の問題もあってすっかりしぼんでしまいましたね。すっかり意気消沈した状態です。③ももうないでしょうね。ニューヨークで巨大地震でもあれば、世界中の人が同情してくれるかもしれませんが、それを運というのかどうか。
「日本は金融恐慌を生き残れるか?」ということを考えると、①は軍事力、政治力を除いて極めて高い。②は米国に押さえつけられていますが、解放されれば伸びる余地があります。③はあるかもしれないし、ないかもしれない。でも米国と違い世界からは嫌われていないので、今までの善意が何らかの形で返ってくるかもしれませんね。
私はポテンシャルのある日本に生きていてよかったと思います。米国は「負け」が決まっているようなもんですから。ヤクルトファンはその気になればいつでもやめられますが、日本人をやめるのは難しいですからね。
勝てる国に住んでいるというのは幸せなことだし、私たちは勝てる状態を維持するために努力しなければなりません。そして次の世代につながないといけませんね。
ベストミックス
東日本大震災後の東京電力福島第1原発事故を機に電力会社に対する厳しい目が向けられています。原子力発電所が大地震や津波に遭えば、深刻な事態を招くのではないかと、かねて指摘されてきましたが、実際にそれがおきたわけで、電力会社が適切な対策を怠り、最悪の状況に陥ってもなお、安易な原子力依存から脱却できないでいるので、批判は当然でしょう。
また、東電は加害企業であるにもかかわらず、今なお、組織防衛を優先させようとする意向が垣間見え、計画停電に対する恐怖をあおって原発存続をもくろもうとしたり、損害賠償に対して誠意ある対応をとろうとせず、そういう姿勢に対しても、今後も厳しい追及が行われるべきだし、きちんとけじめをつけるためにも一度、破綻処理して、ゼロベースからやり直すべきだと思います。
「やらせ問題」にかかわった、東電以外の電力会社や、監督官庁の経済産業省や、安全を監視すべき立場である、原子力・安全保安院の責任も重大ですね。
ただ、評価すべき点もあります。どのメディアも取り上げないですけれど、各地の原発が相次いで運転停止になる中、深刻な停電や、電力供給の停止を回避できているのは、「ベストミックス」と呼ばれる、電力供給政策によるところが大きいのです。これは、原子力発電と火力発電(天然ガス、石炭、石油)、水力発電をバランスよく組み合わせることで、一つの発電方法に過度に依存せず、万一、一次エネルギー供給に支障が出た際のリスクを回避する策です。
上のグラフは、電気事業連合会の資料です。発電電力量ベースで2009年時点で、原子力と天然ガスが約3割、石炭25%、水力9%、石油6%、地熱や風力など自然エネルギーが1%という構成になっています。
福島事故後、中部電力浜岡原発が菅直人前首相の政治決断で停止され、さらに他電力の原発もストレステストをやるということで、相次いで13カ月ごとの定期点検に合わせて止められました。電力供給的には、かなりの痛手を被ったわけですが、何とかこの夏の猛暑を乗り切りました。それは、原子力の発電比率が「約3割しか」なかったからです。原子力が減った分は、火力発電で補うとともに、製鉄会社や化学会社なんかが保有する自家発電設備など「埋蔵電力」を発掘することで、何とか対応できました。
原発の発電比率が7割ともいわれる、フランスあたりで、こういう事態が起きたらパニック状態ですね。おそらく、暴動なんかも起きて、治安が保てないのではないでしょうか。
ベストミックスというのは優れた政策だったのです。これは戦後の高度成長期に産業にどうやって電力を安定供給するかが長年の懸案だったことや、2度のオイル・ショックでエネルギー不足の恐怖に陥れられた、「資源小国」日本ならではのサバイバルのための知恵と考えることができます。
ただ、電事連のグラフをもう一度見ていただきたいのですが、2019年の予測で原子力発電の発電比率は40%強になるとされています。これはもちろん福島事故前にまとめられたものですが、「原子力は安全で安定的なエネルギー源だ」という神話や、「温室効果ガス問題に役立つ」といった誤った考え方に基づいて、原発推進政策がとられようとしていたためです。
従来のベストミックスの考え方を逸脱し、原子力への依存を高めようとしていた矢先に、重大な事故が起きてしまったわけですが、事故は悲惨な結果をもたらしましたが、ある意味これは、私たちに対する警告だったわけで、おかしな方向に進む前に原発増設を防げたという意味では、不幸中の幸いと言えるかもしれません。
ベストミックスは私たちの先人が築き上げた優れた知恵だったのです。もっともっと評価されてもいいと思います。電力会社自体が原発にこだわり、それを捨てようとするのはまったく理解できませんね。
これもあまり知られていませんが、日本の天然ガス発電の効率は世界一です。そして、有害な煙を出すと思われがちな石炭火力でも、石炭を細かく粉砕し燃やすことで、非常にクリーンで効率良く発電する技術を確立しています。
石炭火力発電が公害問題の大きな原因の一つになっている中国に輸出すれば、かなり大気汚染が軽減され、黄砂に乗って日本に飛来する汚染物質を少なくなるし、ビジネスにもなるはずです。これについては、新幹線同様、技術を盗ませてもいいのではないでしょうか? 中国でクリーンな発電が導入されれば、日本にとってもメリットは大きいはずです。
日本人は、長い歴史から一つの方向に流れたり、依存するよりも、八方美人で風見鶏的ではありますが、多様性を重んじ、中庸であることを無意識に美徳としてきました。これからもベストミックスでいいんじゃないでしょうかね。
政治の大きな目的は、「国民を寒さや飢えから守ること」にあります。東日本大震災で、多くの人たちが一時的に寒い状態や食料が足りない状態に陥りましたが、日本の経済基盤がしっかりしていることと、日本人がお互いに助け合う心を忘れなかったことで、政治が駄目でも、乗り切ることができました。政治、経済、社会(日本人の気質、道徳心)がうまくバランスが取れているからではないでしょうか。これもある意味ベストミックスではないでしょうかね。
外交なんかも、米国だけに依存するからおかしなことになるわけで、中国やインド、ロシア、欧州なんかと、それぞれ牽制させ合いながら、うまく付き合えばいい。国の金融資産もそうですね。紙切れになる前に米国債、ドルだけでなく、金や資源、海外の農地、新興国通貨など多様性を持たせるべきでしょう。
個人レベルでも、現金、中国株、金あたりをうまく組み合わせて、来たるべき金融恐慌に備えるべきでしょうね。何事もバランスが肝心、常にベストミックスを意識するといいですね。
また、東電は加害企業であるにもかかわらず、今なお、組織防衛を優先させようとする意向が垣間見え、計画停電に対する恐怖をあおって原発存続をもくろもうとしたり、損害賠償に対して誠意ある対応をとろうとせず、そういう姿勢に対しても、今後も厳しい追及が行われるべきだし、きちんとけじめをつけるためにも一度、破綻処理して、ゼロベースからやり直すべきだと思います。
「やらせ問題」にかかわった、東電以外の電力会社や、監督官庁の経済産業省や、安全を監視すべき立場である、原子力・安全保安院の責任も重大ですね。
ただ、評価すべき点もあります。どのメディアも取り上げないですけれど、各地の原発が相次いで運転停止になる中、深刻な停電や、電力供給の停止を回避できているのは、「ベストミックス」と呼ばれる、電力供給政策によるところが大きいのです。これは、原子力発電と火力発電(天然ガス、石炭、石油)、水力発電をバランスよく組み合わせることで、一つの発電方法に過度に依存せず、万一、一次エネルギー供給に支障が出た際のリスクを回避する策です。
上のグラフは、電気事業連合会の資料です。発電電力量ベースで2009年時点で、原子力と天然ガスが約3割、石炭25%、水力9%、石油6%、地熱や風力など自然エネルギーが1%という構成になっています。
福島事故後、中部電力浜岡原発が菅直人前首相の政治決断で停止され、さらに他電力の原発もストレステストをやるということで、相次いで13カ月ごとの定期点検に合わせて止められました。電力供給的には、かなりの痛手を被ったわけですが、何とかこの夏の猛暑を乗り切りました。それは、原子力の発電比率が「約3割しか」なかったからです。原子力が減った分は、火力発電で補うとともに、製鉄会社や化学会社なんかが保有する自家発電設備など「埋蔵電力」を発掘することで、何とか対応できました。
原発の発電比率が7割ともいわれる、フランスあたりで、こういう事態が起きたらパニック状態ですね。おそらく、暴動なんかも起きて、治安が保てないのではないでしょうか。
ベストミックスというのは優れた政策だったのです。これは戦後の高度成長期に産業にどうやって電力を安定供給するかが長年の懸案だったことや、2度のオイル・ショックでエネルギー不足の恐怖に陥れられた、「資源小国」日本ならではのサバイバルのための知恵と考えることができます。
ただ、電事連のグラフをもう一度見ていただきたいのですが、2019年の予測で原子力発電の発電比率は40%強になるとされています。これはもちろん福島事故前にまとめられたものですが、「原子力は安全で安定的なエネルギー源だ」という神話や、「温室効果ガス問題に役立つ」といった誤った考え方に基づいて、原発推進政策がとられようとしていたためです。
従来のベストミックスの考え方を逸脱し、原子力への依存を高めようとしていた矢先に、重大な事故が起きてしまったわけですが、事故は悲惨な結果をもたらしましたが、ある意味これは、私たちに対する警告だったわけで、おかしな方向に進む前に原発増設を防げたという意味では、不幸中の幸いと言えるかもしれません。
ベストミックスは私たちの先人が築き上げた優れた知恵だったのです。もっともっと評価されてもいいと思います。電力会社自体が原発にこだわり、それを捨てようとするのはまったく理解できませんね。
これもあまり知られていませんが、日本の天然ガス発電の効率は世界一です。そして、有害な煙を出すと思われがちな石炭火力でも、石炭を細かく粉砕し燃やすことで、非常にクリーンで効率良く発電する技術を確立しています。
石炭火力発電が公害問題の大きな原因の一つになっている中国に輸出すれば、かなり大気汚染が軽減され、黄砂に乗って日本に飛来する汚染物質を少なくなるし、ビジネスにもなるはずです。これについては、新幹線同様、技術を盗ませてもいいのではないでしょうか? 中国でクリーンな発電が導入されれば、日本にとってもメリットは大きいはずです。
日本人は、長い歴史から一つの方向に流れたり、依存するよりも、八方美人で風見鶏的ではありますが、多様性を重んじ、中庸であることを無意識に美徳としてきました。これからもベストミックスでいいんじゃないでしょうかね。
政治の大きな目的は、「国民を寒さや飢えから守ること」にあります。東日本大震災で、多くの人たちが一時的に寒い状態や食料が足りない状態に陥りましたが、日本の経済基盤がしっかりしていることと、日本人がお互いに助け合う心を忘れなかったことで、政治が駄目でも、乗り切ることができました。政治、経済、社会(日本人の気質、道徳心)がうまくバランスが取れているからではないでしょうか。これもある意味ベストミックスではないでしょうかね。
外交なんかも、米国だけに依存するからおかしなことになるわけで、中国やインド、ロシア、欧州なんかと、それぞれ牽制させ合いながら、うまく付き合えばいい。国の金融資産もそうですね。紙切れになる前に米国債、ドルだけでなく、金や資源、海外の農地、新興国通貨など多様性を持たせるべきでしょう。
個人レベルでも、現金、中国株、金あたりをうまく組み合わせて、来たるべき金融恐慌に備えるべきでしょうね。何事もバランスが肝心、常にベストミックスを意識するといいですね。