「ここで解散すれば復興がまた遅れる。政策が政局に翻弄されてしまう」(後藤新平と震災復興の4カ月 その可能性と限界)

 深夜、南相馬市の宿で、この原稿を書いている。市内の旅館やホテルは復旧関係者でほぼ満杯だ。なかなか空きがなくて、一泊3500円、トイレと風呂は共同、無線LANありという研修施設のような宿がやっととれた。福島第一原発から24キロのところにある。  昼に訪れた市役所で、男が猛然と窓口の女性職員に食ってかかっていた。金ラメ入りのジャージに蛇革の靴を履いた男が、ホールじゅうに響き渡る大声で、「さっさと手続きをしろ!」と怒鳴った。「義捐金」の受取りで、横車を押していた。  南相馬市は原発から30キロ圏内の規制された各世帯に日本赤十字と県からの義捐金合わせて40万円を配分している。義捐金を受取るには、当然、市民である確認が必要だ。