日本の「落日」映す円独歩安(時事深層)
不慮の大震災に見舞われた日本の景気が世界から取り残されつつある。欧米で高まる利上げ機運が助長する円安は、輸入で復旧・復興を支えるには痛手だ。日本経済の地盤沈下を最小限に抑えるため、復興策のスピード感が問われる。
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東日本大震災から1カ月余りが経過し、外国為替市場では、円相場が主要通貨の中で独歩安の様相を強めている。震災発生直後こそ1ドル=76円25銭の最高値をつける波乱はあったが、その後の1カ月で10円近くも急落。約半年ぶりの円安水準となる85円台まで押し戻された。「日本売り」を想起させるこの動きは、勢いづく海外景気とは裏腹に、未曾有の災害にもがく日本経済の不透明さを映し出している。