株:NYダウ続落
15日の米株式市場は、日本で発生した大地震による深刻な被害が明らかとなり、福島の原子力発電所の事故が深刻化したことなどを受けて、投資家の不安心理が一段と強まり、日経平均を始め各国の株式市場が急落する展開となり、NYダウも一時300ドル近く値を下げた。ただ、午後に入り、米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気判断を上方修正したことなどから、下げ幅を縮小し、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比137.74ドル安の11,855.42ドルで引けた。
本日の東京市場では、シカゴ先物市場の日経平均先物は8,945円となっており、前日の大幅下落の反動による買い戻しの動きが見込まれることが、プラス材料になるとみられている。ただ、為替市場で円高が進行していること、福島原子力発電所で火災が発生するなど、原発事故の深刻化が警戒されており、その動向には注意する必要がある。市場の予想レンジとしては9,000円−8,500円となっている。
為替:円が買われる
15日の外国為替市場では、日本で発生した大地震の影響を受けて、世界的な株安、商品安が進行し、海外投資家を中心に円キャリートレードの巻き戻しが起こったことや、日本の企業が海外から資金を取り戻すレパトリの動きが活発化したことなどから、円が主要通貨に対して上昇する展開となり、NY終値ベースで、ドル円は80円台後半、ユーロドルは1.40ドル近辺となっている。
本日も、前日に引き続き、日本の原発事故や大震災による経済への影響などに注意する必要がある。また、市場では、「日銀による円売り介入」観測も強まっており、その動向に注目が集まっている。経済指標の発表では、英1月失業率(予想:4.5%)、米生産者物価指数(予想:前月比+0.7%)などが予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては80.00−81.50円となっている。
商品:NY金急落
15日のNY原油先物取引は、国際エネルギー機関が2011年の原油需要見通しを日量144万バレル増加するとしたものの、先月時点からは下方修正したことに加えて、世界的な株安に連れて売りが殺到し、急落する展開となった。モ鎮圧のためバーレーン入りしたと伝えられたことなどを背景に、値を戻す展開となり、中心限月の4月限の終値は、前日比4.01ドル安の1バレル97.18ドルで引けた。
NY金先物取引では、株式や原油価格が急落するなど、リスク回避の動きが加速し、投資を縮小して資金を確保する動きが広がったことから、金も手仕舞い売りが優勢となり、中心限月の4月限の終値は、前営業日比32.10ドル安の1オンス1,392.80ドルで引けた。