カテゴリー別アーカイブ: 日経225ニュース

日経225先物に特化したニュース・情報です。

来週の予定

【2日(月)】
※株式市場休場(米国、英国、香港)

【3日(火)】
24:00 米11月建設支出
24:00 米12月ISM製造業景況指数
FOMC議事録

【4日(水)】
大発会
19:00 ユーロ圏12月消費者物価
24:00 米11月製造業受注

【5日(木)】
22:15 米12月ADP雇用統計
24:00 米12月IDM非製造業景況指数

【6日(金)】
19:00 ユーロ圏11月小売売上高
22:30 米12月雇用統計

掉尾の一振

  このところ毎年、リーマン・ショックのあった2008年でさえも、年末にかけてラリーがあり、ちょっとしたご祝儀相場の分け前にあずかれたのですが、今年はさっぱりでしたね。米国市場のはしゃぎぶりと比較すると、「何なんだ一体」というくらい、ひどいありさまです。




  これも今後、想定される金融恐慌の予兆と考えていいのではないでしょうか。マーケットコメントに出てくるアナリストやなんかは、さかんに「掉尾の一振」だの「年末ラリー」だのと、期待をあおるようなことを言い立て、私自身も期待したのですが、彼らはどう見ているんでしょうかね。
  予想が外れたことで、ほっかむりしてしまうのか、それとも、相場の“異変”ととらえるのか。まあ、「日本株の出遅れ」とか「外国人の日本株離れ」という、自虐的な総括をするんでしょうけどね。
  このところ何度か指摘していますが、いよいよ、さまざまな矛盾を覆い隠せないところまで来ているのではないかなと思っています。
  米国人は株価に敏感に反応するので、リーマン・ショック以降、2度にわたる金融緩和でドルを刷り、株価を買い支えています。そしていよいよ弾が尽きたとなると、今度は欧州にちょっかいをかけ、金融緩和をさせることでカネを捻出し、それを米国株に投入させるということをやっています。
  まともな感覚を持っている人なら、米国に対して、きちんと怒りをぶつけるし、小手先の操作ではなく、経済を抜本的に立て直すよう諫言するところですが、不幸にして、そういう人はいなくなりました。
  IMFのストロスカーン前専務理事は、比較的バランス感覚に優れた人だと目されており、フランスのサルコジ大統領のライバルでしたが、ハレンチ事件をでっち上げられ、失脚してしまいました。
  ドイツのバカ女もそうですし、わが国のドジョウ男もそうですが、米国の言いなりに動くような人しか一国のリーダーにはなれないようです。




  それにしても、マーケットから「おかしい」という声は上がらないもんでしょうかね。恩恵を受けている米国市場や、金融危機の震源地の欧州市場は仕方がないとして、日本や中国、その他勢いのある新興国なんかからは、もっと批判する声が出てもいいような気がします。
  特に中国ですよね。バブル懸念もあるにはあるんですけど、嫌がらせのように株価が低迷しています。私の知る限り、中国の要人などから株式市場についてのコメントが出ていないと思います。
  この辺を見る限りはまだまだ、中国が発展途上国であるということをうかがわせますね。米国のペースに乗せられたままです。中長期的な考え方を持っているので、意に介さないのでしょうけど。
  それにしても、今年の年末は、本当に不毛でした。来年になれば、もっともっとおかしな状況に陥るでしょうし、いずれ臨界点に達して、大暴落など激動につながっていくのでしょう。腑に落ちない部分は多々あるし、すっきりしないまま年を越すことになりますが、「これもまた相場」です。
  こんなささいなことに負けずに前を向いていかなければなりません。




12月30日のポイント

  明日は大納会。期待はしていませんでしたが、ひどい状況です。こんな年末初めてです。正月でリセットして、次の展開を期待しましょう。

10870
10780
10670
10560
10480
10330
10310
10200 直近高値
10160
10130
10110
10070
10050
10040 震災後戻り高値
10010
9980
9930
9910
9880
9850
9830
9790
9750
9730 
9710 6月28日高値
9690 
9670
9660
9650
9630 
9600
9580
9550
9520~9530
9430~9440
9360~9370
9310
9280 38.2%押し
9200
9110
9060
9000 50%押し
8930
8900
8870
8850
8830
8800
8760
8710 61.8%押し
8660
8630
8610
8580
8500
8470
8440
8400
8360 76.4%押し
8310
8290
7800 震災後安値

強きを助け弱きをくじく

  これも相場の極意(みたいなもの)の一つになるし、世の中のほぼすべてのことにもあてはまるのですが、所詮は、「弱肉強食」だということです。強い者が弱い者を支配し利用する。何を考える上でも、このことを理解しておくのが大切です。
  日本の最大の欠点は、この当たり前のことを、誰もが理解しないし、理解しようともしないので(もちろん外交交渉の当事者や海外特に先進国で仕事をする金融マン、ビジネスマンなんかは現場で身に付けることになりますが)、誤った世界観、歴史観、社会観を形成する元凶になっています。
  このブログでは、普段からしつこく、米国や米国経済について言及していますが、それはトレードをする上でも、私たちの生き方を考える上でも、米国が決して無視できない存在だからです。そしてなぜ無視できないかというと、日本を露骨なまでに支配している強国だし、一応、現時点では世界に君臨している帝国だからです。
  だから、株価にせよ、通貨の価値にせよ米国抜きにして、考えることはできません。いくらつわもののトレーダーだって、吹けば飛ぶような零細な存在であり、米国とその威光を背景にした金融機関に太刀打ちできるわけもなく、みじめな立場であることは、残念ですが、粛々と受け入れなければなりません。
  「俺はどんな強い奴にも服従しない」と強がっていても、弱い者は結局、強い者に支配される運命にあります。強い者に尻尾を振るというのは情けないことだと、日本では考えられているし、世界でもそうでしょうけど、それは強い者が武士道なり紳士道といった、弱者を必要以上に追いつめないという惻隠の情なんかのマナーを身に付けているからであって、露骨に暴力なり権力なり力ずくで支配しようとする相手には勝てません。
  ついこの間までは、日本は経済がうまくいっていたこともあって、弱い者も権利を主張したり、放任されていましたが、経済の不信が長引くようになると、弱者からまず切り捨てられることになります。
  また、米国という国が傾くようになってからは、やたらと弱い国に対して戦争を仕掛けて資源を強奪したり、日本のような国から金を搾取しようとします。強者が生き延びるために弱者を犠牲にするから、そういうことが起きるのです。
  文明から隔離された未開地の地に住む原住民だって、強い者が興味を示さないうちは平和に暮らせますが、未開の地を開発しようということになれば、あっという間に服従させられることになるでしょう。
  ただ、弱い者だってやられっぱなしでいいかというとそうではありません。強い者から何とか自分自身や身の回りの利益を守り、生き延びようとするのは、本来、人間を含めて動物が持っている本能です。
  また、面従腹背で、強い者が弱みをみせたら、そこに付け込んで攻撃し、あわよくば立場を逆転してしまおうという野心も持っていて当然でしょうね。群れを統率できなくなったリーダーの雄ライオンは群れを去り、徐々に衰弱しするか、いじめ殺されるかしかありません。
  帝国に対して、国益を守る人のことを「ナショナリスト」といいます。戦後(戦前もそうですが)、日本の政治家は、いろいろと要求してくる米国に対して、のらりくらりとかわして、経済的な利益を守ろうと行動してきました。弱者がこのような行動をとるのですから、見た目はかっこ悪いし、同胞である国民からも批判されたり嘲笑の的になったりするのですが、泥くさくてもしっかり守るべきものは守る。その信念だけはありました。
  ソ連との冷戦が終わった後の1990年代後半くらいからですかね。大きな的を失った米国は次の照準を日本に定めて、金融機関を叩くことで、経済的に強かった日本をつぶしにかかります。そして、徐々に政財官の結束が崩されていき、米国の介入を拡大させる結果になります。そして、小泉政権の発足、2005年の郵政選挙なんかで決定的になっていきます。
  日本の場合、90年代以降、徹底的にいじめ抜かれたこともあって、去勢された猫のようになってしまい、本来持っていた自己防衛本能を失ってしまいました。せっかく、政権交代して、安易な対米追従をやめようと姿勢を改めたのに、現在のようなありさまです。
  米国は、現在も軍事力が圧倒的で、世界で最も強い国ですが、国力を磨く努力を怠り、金融ばくちと不動産転がしなど楽して稼ごうという安易な方法に頼った結果、経済がずたずたになり、国家破綻状態です。すでに、世界中に展開している軍隊を維持する能力はないのに、今でもいばりくさっています。
  米国が世界を支配する能力に疑問符が付いているのですが、現在のところ、これに取って代わろうという表だった動きはないため、何とか世界帝国として君臨しています。
  まあ、それも時間の問題でしょうね。いずれ矛盾が噴き出し、それに耐えられなくなった時点で、帝国の座から引きずり降ろされ、世界から復讐されることでしょう。
  そんな米国に対して、いまだに尻尾を振るという感覚が理解できません。少なくとも、表面上はそうであっても、したたかに米国を蹴落としたり、リベンジしたりする機会をうかがうくらいでないといけません。強い者が強さを失った時点で、それは死を意味するのです。死んでる奴にまで媚びへつらってどうするのか。
  今後、より慎重にウォッチすべきなのは、米国亡き後、存在感が確実に増す中国やロシアの動向ですね。これらの国を無視して、さまざまな事は回らなくなるはずです。
  米国の虎の威を借りているだけなのに、中国やロシアをけなして優越感を持とうとしたって無意味なことです。ロシアにせよ、中国にせよ、すでに日本の国力、政治力を上回っており、普通に組み合って、倒せる相手ではないということを頭に入れておく必要があるでしょう。
  もし、それでも日本が中国より立場が上であると主張するのであれば、群れの中でボスを決めるための争いがあるのと同様、中国と一戦交える必要があるかもしれません。それは回避すべきであることは自明です。
  逆に韓国のような明らかに格下の国になめられるようなことがあってもいけないんです。どう考えても、総合的に日本が優位です。財政破綻状態で、通貨の信用力もなく、吹けば飛ぶような国なのです。今までは過去の歴史的経緯もあり、下手に出ていましたが、金融、経済面でいつでも締め上げれるわけで、序列を決するために、ガツンと行動を起こすべき時には起こすべきでしょうね。
  良くも悪くも米国のおかげでこうなったわけですが、米国がいなくなれば、新しい力関係が決まるまで、諸外国と摩擦が起こるのは必至でしょう。世界のあちこちで序列争いが起きるでしょうね。筋を通すべき時もあるにはあるのですが、力関係という冷酷な現実を前に、果たして貫き通せるのか? 柔軟に(器用に)立ち回ることも求められます。

ファインプレー?

  日中首脳会談で、日本と中国が貿易決済に日本円と人民元による決済拡大で合意しました。基本的には双方にとってメリットの大きい、いいニュースだと考えています。米国紙なんかでも割と大きく取り上げられていて、論調としては「人民元が国際通貨として大きな一歩を踏み出した」と好意的に受け止められているようです。
  日本がこの十数年、深刻なデフレに陥った大きな原因は米ドルにあるので、どれだけ効果があるかは分かりませんが、少しはデフレを緩和する要因にはなるでしょうね。中国にとっても、ドル、ユーロで痛手を被っているので、現在、世界で最も安定している円、人民元決済を推進しない手はないでしょう。
  米国とその手下である財務省に完全に支配されている、野田政権にしてはよくやるなと思いました。このニュースを見た時は目を疑いましたが、当然、裏があると考えておいた方がいいのでしょうね。
  イラクはサダム・フセインが石油代金の決済をドル建てからユーロや円建てに変更すると表明したことが、米国の怒りに拍車をかけ、つぶされてしまいました。だから、米国は当然、自国通貨の価値や存在感を貶めるような動きには、常日頃から敏感であると考えられますね。
  米国紙の論調からすると、米国は日本をけしかけて、中国の通貨を少しでもコントロールしたい、通貨政策に介入したいと考えて、野田政権に今回の合意をさせたと見ることができます。
  キリスト教的な世界観、論理ともかかわるのですが、米国や欧州は、私企業や民間団体、個人間のビジネスで、政府が介入したり、人為的な操作を行うのを嫌います。だから、自由な経済活動を拡大することで、中国の国家が管理するやり方を変えたいという思いは強いでしょう。
  それと合わせて考えておかなければならないのは、その「自由」を逆手にとって、世界秩序を自分たちの有利なものにしたいという論理もあることです。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)なんてまさにそうですね。「自由な経済活動を保障」するといいながら、その実は米国企業が協定締結国の市場を荒らし、政治的にも介入しようという思惑が見え隠れします。
  このところ、米国の魂胆は、完全に見透かされているんですよね。したたかな中国のことだから、当然、米国の思惑も織り込み済みです。先述の通り、人民元・円決済を拡大すれば、“国際通貨”として対外的にアピールできるし、必要以上にドルやユーロを抱え込まずに済む。
  多分、中国はその実だけをうまく取って、必要以上に通貨政策に介入されることはブロックするでしょう。何しろ、ニクソンショック以降、プラザ合意を経て、米ドルを大量に抱え込んだ日本がどういう目に遭わされたか研究し尽くしています。
  それと同時に、中国は義務やコストのかかるかつての英国や米国型の覇権は求めていませんが、中国にとって都合のいい形で世界で主導権を確立するにはどうべきか考えているでしょう。こんかいの合意を利用して、ドルの価値をさらに低下させることで、中長期的に米国の国力を奪っていくことを計算しているはずです。
  はっきり言って、野田政権に中国とこのような合意をさせた、米国の世界戦略はミスですよね。天文学的な借金を抱え、貧困国へ転落しようとする中で、せっぱつまって、何かを仕掛けようとしているのですが、何をやっても裏目裏目です。ダメ人間が陥るスパイラルに完全にはまってしまっていますね。
  そのダメ人間に操られ、醜態をさらす一方の野田政権ですが、今回の合意は、今後の世界の動き、歴史を考えるうえでは、下手をすれば、ノーベル賞級の動きだと評価できます。ただ、当の本人たちは、米国の命令するままに動いただけで、自覚はまったくないでしょうけど。これは佐藤栄作首相のノーベル賞と同様ですね。
  もっとドラスティックな動きを期待しているので、日々の動きは遅くて、かったるくて仕方ないですが、歴史は確実に前進しているのです。やはり日々の動きはしっかりウォッチしておかなければなりませんね。