カテゴリー別アーカイブ: 日経225ニュース

日経225先物に特化したニュース・情報です。

11月14日のポイント

  NYダウは週末にかけての2営業日で300ポイント以上上昇。日経がどこまで追いつくかでしょうね。しつこいようですが、8770が気になります。8660-8760-8880のコアレンジに回帰できるかどうかがポイントです。
  怖いのは突然の暴落です。これはいつ弾けてもおかしくありません。ドルの動きに神経質になっているのはそのためです。介入で不自然な上昇となっているとはいえ、ドルの崩れ方はちょっと気持ち悪いです。77.10は8月の介入ポイントで、ここは簡単には上回れないであろうことは、容易に想像がつきますがね。

10870
10780
10670
10560
10480
10330
10310
10200 直近高値
10160
10130
10110
10070
10050
10040 震災後戻り高値
10010
9980
9930
9910
9880
9850
9830
9790
9750
9730 
9710 6月28日高値
9690 
9670
9660
9650
9630 
9600
9580
9550
9520~9530
9430~9440
9360~9370
9310
9280 38.2%押し
9200
9110
9060
9000 50%押し
8930
8900
8870
8850
8830
8800
8760
8710 61.8%押し
8660
8630
8610
8580
8500
8470
8440
8400
8360 76.4%押し
8310
8290
7800 震災後安値

大恐慌突入

  最近、一番気になった記事で面白いなと思ったのが、講談社の「週刊現代」の経済に関する記事を読むことができる「現代ビジネス」の「パナソニックだけじゃない日本企業 次々おかしくなってきた緊急大特集 この国は認識が甘い世界大恐慌はすでに始まっている」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/25484)です。
  欧米の財政、銀行制度が破綻し、金融恐慌、世界恐慌に突入するであろうということは、このブログでも折に触れて指摘してきましたが、「すでに恐慌に突入している」という発想はあまりなかったですね。それなりによくまとめられている記事なので一読の価値があると思います。
  パナソニックのテレビ事業縮小については、10月21日に取り上げましたが、ついこの間まで日本にとってテレビは花形産業だったわけです。ところが、この1、2年で急激に価格破壊が進み、儲かる事業にならなくなってしまいました。1インチ=1000円でテレビが買える時代ですからね。50型の大型テレビが安いものなら10万円そこそこで買え、庶民でも大画面テレビに余裕で手が届くようになりました。
  だから、テレビを主力事業に位置付けていたパナソニックに限らず、ソニーにしろシャープにしろ、すでに大幅なリストラを発表した日立製作所にしろ、このままテレビ事業を続けるのかどうか、分岐点に立たされています。苦しいのは海外でも同じで、世界市場を席巻している韓国サムスン電子やLG電子にしてもテレビ事業がお荷物になりつつあります。
  巨大な市場を抱える中国でもバラ色ではないでしょうね。日本はブラウン管テレビに高い値段をつけて国内や海外に輸出して、半世紀近くにわたって設けてきましたが、1インチ=1000円は酷だと思います。人件費が安いとはいえ、かつて日本のメーカーが享受してきたような利幅は見込めないわけで、中国の家電メーカの株価がいまいち振るわないのもその辺を、市場に見通されているということでしょう。
  テレビに限らず、身の回りの工業製品は大体そうですね。価格下落圧力がハンパないので、いい品を作って、技術を磨いて、付加価値を高めるという戦略が取りづらくなっています。電気自動車が主役になる時代はまだまだ先だとは思いますが、構造がシンプルなので、自動車もいずれ家電製品のように価格破壊の渦に巻き込まれる時代はそう遠くはないでしょうね。すでにそうなりつつありますが。
  だから、工業を主軸に据えて、経済発展を実現するという日本や韓国、台湾、東南アジアが築き上げた成功モデルはもはや成り立たなくなっているということです。勤勉で向上心が強い、日本、そしてアジアの人にとって、有利な勝ちパターンだったわけですが、それが崩壊しつつあります。
  この記事の難点は、恐慌の定義があいまいであるということです。パナソニックをはじめ製造業が立ちいかなくなっているのは、生産技術が驚くべきスピードで発展し、安く、大量に、スピーディーにモノが作れるようになった結果、過剰生産で値崩れが起こっているという構造的な問題があります。
  記事では日本のメーカーの置かれている状況をつぶさに取材し、同時に進行している金融不安と合わせて、「恐慌」としているような感じですが、金融不安があってもなくても、製造業が新興国との競争、生産技術の向上による過剰生産、価格破壊にさらされていて、いずれ苦境に陥るであろうということは予測がついていました。
  それに追い打ちをかけているのが、金融システムの問題ですね。金融が日本の輸出企業に影響を与えているとすれば、それは「円高」でしょうね。欧米は金融ばくちと、不動産ころがし、放漫財政の結果、市場の信認を失い、通貨価値の暴落に直面しています。それは円高という形で表れており、日本のメーカーを直撃しています。
  ただ、韓国、台湾などと比べると、日本企業は、すでに早い段階から円高の影響や、貿易摩擦の問題をヘッジするため、消費地に近いところに生産拠点を設ける、現地生産主義をとっています。だから、円高の影響は世間で言われているほど大きくはなく、むしろやはり過剰生産と価格下落の問題の方が大きいと思います。
  米韓FTA発効をにらんで、ホンダや日産自動車など、日本のメーカーが米国で生産した車を韓国に輸出しようと本腰を入れ始めています。これはとても面白い動きですね。韓国はよほど気を付けないと、日本や海外のメーカーにFTAを逆手に取られる恐れがあるのです。
  環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の問題もそこでしょうね。これだけドルの価値が崩落すれば、こういう形で攻め込まれる可能性があるのです。もちろん農業や医療、医薬品、保険などの分野で政治的圧力で、不利益を押し付けられることも憂慮すべきなのですが。
  話がややそれましたが、製造業が儲からない産業になっているという構造的な問題を考えると、すでにそれは深刻化しつつあり、ある意味すでに「恐慌入り」していると考えられるでしょうね。
  ただ、もう一つ考えなければならない恐慌は「金融恐慌」です。これはやはり製造業をとりまくものとは別の問題として考えなければなりません。金融爆弾がはじけたら、また別の形で経済に激しい影響が出てきます。私たちの金融資産が米ドル崩壊という形でパーになってしまうのです。
  おそらく通貨に対する信認が失われるでしょうから、ハイパーインフレが起き、金融機関はバタバタと倒れ、私たちの預金はほぼ無価値になり、年金制度は破たんし、とてつもない影響が出るでしょう。
  そうなると、戦後、焼け野原から出発したように、私たちはゼロからリセットしなければなりません。ただ、やみくも勤勉に働ければ元の生活が保障されるわけではなく、何をすれば価値を作り出せるか、真剣に考えないといけません。製造業があてにならなくなってしまったという意味では、すでに恐慌に突入しているという認識は持っておいた方がいいと思います。

来週の予定

【14日(月)】
08:50 日7~9月期GDP
19:00 ユーロ圏9月鉱工業生産

【15日(火)】
日銀金融政策決定会合(~16日)
16:00 独7~9月期GDP
19:00 独11月ZEW景況感調査
19:00 ユーロ圏7~9月期GDP
22:30 米10月生産者物価指数
22:30 米10月小売売上高
22:30 米11月NY連銀製造業景気指数

【16日(水)】
15:00 日銀白川総裁会見
22:30 米10月消費者物価指数
23:00 米9月対米証券投資
23:15 米10月鉱工業生産
23:15 米10月設備稼働率
24:00 米11月NAHB住宅市場指数

【17日(木)】
22:30 米10月住宅着工件数、建設許可件数
24:00 米11月フィラデルフィア連銀指数
10月北米半導体製造装置BBレシオ

【18日(金)】
24:00 米10月コンファレンスボード景気先行指標総合指数

険悪

  今週に入って、ドル・円の動きからして何となく不穏でしたが、このまま8570-8660-8770を回復できないなら、下落、暴落の可能性を考えなければいけなくなります。
  杞憂に終わればいいですが、状況が状況なので、一応、頭に入れておく必要があると思います。