マヤだか、インカだか知りませんが、暦が2012年までで終わっているとかで、今年が「世界最後の年」と滅亡説を唱える人がいて、陰謀論者を中心にそれを信じる人も多いようですが、私も昨年末、年始に何度も何度もお伝えしたように、欧米のソブリン問題がきっかけに金融市場がクラッシュする可能性があるとみて、今年中に何らかの「Xデー」があると予想していました。
ロシアやフランス、米国、韓国など多くの国で大統領、首相を選ぶ選挙も相次ぐため、これらも何らかの波乱要因、ターニングポイントになるのではないかと思っていました。
中東や北朝鮮をめぐる情勢が激変したり、世界各地でこの先、予期していなかったことが起きたりする可能性も、かなり高いと思いますが、ここまでの3、4カ月の世界情勢、金融市場の動きをウォッチしている限り、少なかなかパニックは起こりそうにありません。ともすれば「危機は去った」と勘違いしてしまう恐れもあるので、常に警戒モードを持ち続けるべきでしょう。
毎度、言っているように、危機が予測できたからといって、うまくそれを乗り切る、あるいは身に降りかかるショックを少しでも軽減することができなければ意味ありません。
一番、バカなのは、危機的な状況が来ると信じ込んで、自暴自棄になってしまい、実際にそうはならなかったというパターンです。暦が2000年に突入した際に「ノストラダムスの大予言」とやらで、それを信じる人や、狂信的な集団に取り込まれてしまう人なんかがいましたけど、それと似ていますよね。
実際に何かが起きる、逆に起きないにしても、陰謀論者の人たちは、パニックばかりを言い立てますが、振り上げた拳をどうやって収めるのでしょうかね? 起きなかった場合、はしごを外されて、赤っ恥をかいて終わるのでしょうか? どうせ世界が2012年にパニックになるのだから、といって引きこもりになった人なんかも中にはいるんでしょうけど、自業自得とはいえ、お気の毒としかいいようがありません。
反対に大パニックに陥った場合、事前に十分準備はできているのか? まあ、これも自分たちが最新の真実を知っていると勝手に悦に入っているだけなら、意味がないですよね。せめてドルをショートしておくとか、ダウのオプションを仕込んでおくとかしておかないと(笑)。
とにかく、危機が現実のものになろうと、そうでなかろうと、現実の世界を生きていかなければならないわけで、危機が来たら即、この世から去るという覚悟であるのならば別ですが、生き続けていくつもりならば、状況に合わせて、うまく切り抜けていかなければならないのです。
東日本大震災の時と同様、事前に避難訓練とか災害に備えた物資の備蓄をしていても、実際には、事前の想定通りとはいかず、役に立たないことも少なからずありました。いろんなことをシミュレーションし、対策を立てておくことは大切なのですが、状況に応じて必要な行動を行うことも必要となってきます。
なるべく他人に迷惑を掛けたくないし、非常事態が起きてから、慌てて買い占めに走るというようなみっともない行動は取りたくないとは思っていますが、どうなることやら。自分の住んでいる環境が完全に破壊されてしまったら、どうしてもパニックになってしまうでしょうからね。
とりあえず、金融市場に関しては、2~3月にいったん危機を脱したかのように見え、いったんは軌道修正しましたが、結局は、アヤ戻しでした。いつでも金融市場のクラッシュと背中合わせであるという状況には変わりないということです。
トレーダーにとって現実を生きるというのはこういうことなんでしょうね。常に大まかなことを予想しつつも、現実に合わせてパフォーマンスしなければならないということです。間違いがあれば、その都度修正していかなければなりません。でないと、簡単に破産してしまいます。
下落トレンドをたどりながらも、金融市場は緩やかな動きに終始し、政策介入により反転する可能性も秘めています。とはいえ、欧米が没落しつつあるのも事実で、2012年に危機は起きないにしても、いずれ欧米の実態と金融市場の齟齬を埋める動きが来る可能性は依然として高いし、常にそのことを頭の中に入れて、リスク管理やポジション取りをしていかなければなりません。
大予言を信じている人からすれば、現実の生活なんてとてもせこい話だし、もっと言えば人間の存在の小ささがより際立つことにもなるんでしょうけど、地面にはいつくばるようにして生きていく以外に方法はありません。私なんかは、小人物だから、暴落したらショートでいくら儲かるかみたいな、そろばん勘定しかできませんけどね。
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見せ掛け
私は「欧米のインチキにだまされない」と自負してきたつもりですが、どうやらだまされていたと認めざるを得ません。要は「すでに欧米は国家破綻している」のだということです。目の前の金融市場の状況から、その事実は明々白々なのに、全く気付きませんでした。
欧米が国家破綻する前後に、金融市場が暴落、クラッシュするだろうと当たり前のように想定してきました。しかし、どうもその前提は間違っていたようです。この期に及んで、もちろん、企業収益が好調であるという事情もあるのですが、ダウが10000ドルを超える高水準を維持しています。その気になれば、経済が荒廃状態にあろうと、金融市場を高値につりあげることなんて、ドルを刷り散らかして、投入すれば簡単にできるわけです。見せ掛けだけをとりつくろうことなんていくらでも可能なわけです。
ただ、その粉飾のとばっちりを誰かが受けることになります。日本は2010年秋以降、「行き過ぎた円高を修正する」などの目的で、為替介入や金融緩和を繰り返してきました。総額は表ざたになった分だけでも20兆円を超えていますが、何か効果はあったでしょうか? 実態は米国債を買わされただけのことです。
もちろん2月14日の金融緩和発表後、1ドル=77円台から84円台まで上昇したのは事実だし、3月の決算期末で、輸出企業の円転などに効果があった点は評価すべきでしょう。それに、放置していたら、ずるずると円高が進行していたでしょうから、激変緩和とか時間稼ぎの意味合いはあったでしょう。
ただ、これだけの大金を投じておいて、株価も為替も株高、円安は長続きせず腰折れ状態です。せめて半年、1年と効果があればいいのですが、欧米の金融、経済情勢があまりにもひどい状態にあることや、インターネット環境の整備で、情報が即座に隅々に流れ、すぐに相場材料として消化されることから、見せ掛けだけとりつくろっても簡単には相場は反転しないということです。
すなわち、みんな意識するしないにかかわらず、少なくとも「異変」としては感じ取っているし、公言しないにしても、かなり相場について知り尽くし、影響力を持つ立場の人も少なからず「欧米経済はもうとっくに終わっているよ」とみているはずです。
ネット時代でなければ、政策介入を受けて、もっと余裕のある、能天気な動きがみられたかもしれないですが、先々のことまで考えて、早々と次に何が起こるかを織り込んでしまったわけです。
ユーロに関しては、ドイツ経済が健全であることもあり、簡単には崩壊しないこと、ドルについては、曲がりなりにも米国は現在でも覇権国であり、さすがに“真実”を喧伝したり、ドルを空売りしたりしようものなら、どういうリベンジを受けるか分からないですから、積極的には売り崩せないだけの話です。
また、米国はもはやよれよれの状態ですが、自分たちの延命を図るため、手下の日本やドイツ、韓国あたりを捨て駒にして、最後の最後まで搾取し続けることもできなくはない。そこはさすがに世界帝国だっただけはあり、“国力”といえなくもない。
ただ、ドル・円相場をウオッチしていると、ドルはもはやゲームオーバーだといっていいでしょう。わずか数年の間に何十兆円を投入しているにもかかわらず、1ドル=70円台から抜け出せないのです。本来の価値が40円とか50円でしかないのだから、あるいはすでに紙切れと化しているのだから、むしろ健闘しているといえるでしょう。
ちょっと下げると、金融緩和や為替介入をちらつかせられ、そこから売り込む動きが止まってしまうし、いまだに頭の弱い人たちは、大手金融機関の金融マン、一般投資家ともに、2月から3月にかけての残像が残っていて、「絶好の買い場」だと勘違いしている向きも多いので、「こんなところで買うかな?」というような変な価格帯でそれなりに買いが入り、下支えされます。
ドルや株を買っている人たちは、つっかえ棒にされているにすぎません。リーマン・ショック前までならば、あるいはつい最近までならば、「はしごを外された」というような程度で済むでしょうけれども、「いつか米国経済は復活する」みたいな幻影を植え付けられ、ロスカットのタイミングを逸したら、地獄の底まで一蓮托生です。
そして認識を改めなければならないのは、すでに欧米の経済が荒廃、国家破綻しているからこそ、こういう動きをするのです。自分たちが延命するためには、最後まで世界を欺き通し、権力を握る一部の人たちが有利な条件を勝ち取る。そのためには、見せ掛けだけでもかろうじて金融市場が機能していることを示しておく必要があります。
実際には、こういう金融経済の実態を織り込めば、ドルやユーロ、株価は現在の数分の一であれば良い方なのですから、今の価格帯は、相当上滑っているということになります。だから、こんなところで「割安だ」と思って、下がったところで買うのは愚行です。下手すれば、紙切れ、ゼロに近いものを中途半端な価格帯で、買わされているにすぎないのです。それでも、買って夢を持ちたい人、幸せが感じる人がいるならば、無理に止めることはしませんが。
時々、相場の雰囲気や、不可解なタイミングで政策介入、さらには格付け会社も動員して、上下することがあります。だから、そこは十分気を付けなければならないのですが、基本的には「欧米はすでに破綻している」ということで間違っていないと思います。それを前提に値動きを予測していく必要があります。
欧米が国家破綻する前後に、金融市場が暴落、クラッシュするだろうと当たり前のように想定してきました。しかし、どうもその前提は間違っていたようです。この期に及んで、もちろん、企業収益が好調であるという事情もあるのですが、ダウが10000ドルを超える高水準を維持しています。その気になれば、経済が荒廃状態にあろうと、金融市場を高値につりあげることなんて、ドルを刷り散らかして、投入すれば簡単にできるわけです。見せ掛けだけをとりつくろうことなんていくらでも可能なわけです。
ただ、その粉飾のとばっちりを誰かが受けることになります。日本は2010年秋以降、「行き過ぎた円高を修正する」などの目的で、為替介入や金融緩和を繰り返してきました。総額は表ざたになった分だけでも20兆円を超えていますが、何か効果はあったでしょうか? 実態は米国債を買わされただけのことです。
もちろん2月14日の金融緩和発表後、1ドル=77円台から84円台まで上昇したのは事実だし、3月の決算期末で、輸出企業の円転などに効果があった点は評価すべきでしょう。それに、放置していたら、ずるずると円高が進行していたでしょうから、激変緩和とか時間稼ぎの意味合いはあったでしょう。
ただ、これだけの大金を投じておいて、株価も為替も株高、円安は長続きせず腰折れ状態です。せめて半年、1年と効果があればいいのですが、欧米の金融、経済情勢があまりにもひどい状態にあることや、インターネット環境の整備で、情報が即座に隅々に流れ、すぐに相場材料として消化されることから、見せ掛けだけとりつくろっても簡単には相場は反転しないということです。
すなわち、みんな意識するしないにかかわらず、少なくとも「異変」としては感じ取っているし、公言しないにしても、かなり相場について知り尽くし、影響力を持つ立場の人も少なからず「欧米経済はもうとっくに終わっているよ」とみているはずです。
ネット時代でなければ、政策介入を受けて、もっと余裕のある、能天気な動きがみられたかもしれないですが、先々のことまで考えて、早々と次に何が起こるかを織り込んでしまったわけです。
ユーロに関しては、ドイツ経済が健全であることもあり、簡単には崩壊しないこと、ドルについては、曲がりなりにも米国は現在でも覇権国であり、さすがに“真実”を喧伝したり、ドルを空売りしたりしようものなら、どういうリベンジを受けるか分からないですから、積極的には売り崩せないだけの話です。
また、米国はもはやよれよれの状態ですが、自分たちの延命を図るため、手下の日本やドイツ、韓国あたりを捨て駒にして、最後の最後まで搾取し続けることもできなくはない。そこはさすがに世界帝国だっただけはあり、“国力”といえなくもない。
ただ、ドル・円相場をウオッチしていると、ドルはもはやゲームオーバーだといっていいでしょう。わずか数年の間に何十兆円を投入しているにもかかわらず、1ドル=70円台から抜け出せないのです。本来の価値が40円とか50円でしかないのだから、あるいはすでに紙切れと化しているのだから、むしろ健闘しているといえるでしょう。
ちょっと下げると、金融緩和や為替介入をちらつかせられ、そこから売り込む動きが止まってしまうし、いまだに頭の弱い人たちは、大手金融機関の金融マン、一般投資家ともに、2月から3月にかけての残像が残っていて、「絶好の買い場」だと勘違いしている向きも多いので、「こんなところで買うかな?」というような変な価格帯でそれなりに買いが入り、下支えされます。
ドルや株を買っている人たちは、つっかえ棒にされているにすぎません。リーマン・ショック前までならば、あるいはつい最近までならば、「はしごを外された」というような程度で済むでしょうけれども、「いつか米国経済は復活する」みたいな幻影を植え付けられ、ロスカットのタイミングを逸したら、地獄の底まで一蓮托生です。
そして認識を改めなければならないのは、すでに欧米の経済が荒廃、国家破綻しているからこそ、こういう動きをするのです。自分たちが延命するためには、最後まで世界を欺き通し、権力を握る一部の人たちが有利な条件を勝ち取る。そのためには、見せ掛けだけでもかろうじて金融市場が機能していることを示しておく必要があります。
実際には、こういう金融経済の実態を織り込めば、ドルやユーロ、株価は現在の数分の一であれば良い方なのですから、今の価格帯は、相当上滑っているということになります。だから、こんなところで「割安だ」と思って、下がったところで買うのは愚行です。下手すれば、紙切れ、ゼロに近いものを中途半端な価格帯で、買わされているにすぎないのです。それでも、買って夢を持ちたい人、幸せが感じる人がいるならば、無理に止めることはしませんが。
時々、相場の雰囲気や、不可解なタイミングで政策介入、さらには格付け会社も動員して、上下することがあります。だから、そこは十分気を付けなければならないのですが、基本的には「欧米はすでに破綻している」ということで間違っていないと思います。それを前提に値動きを予測していく必要があります。
8970がサポート
もしかすると、もしかするかもしれません。9000でふたをしていた1000枚板が崩されました。サポートは8970。潮目が変わった可能性があるので、ショートは要注意。逆に8970-8880を抜けると、底無しです。
害虫
相場は欧州崩れから、再び暴落の危機に瀕していますが、念のため上昇相場についても考えておきたいと思います。春になると、生命の活動が活発化するように、金融市場が(見せ掛けだけ)好転し、ちょっとでも相場のマインドが緩むと、プロから個人投資家、年金生活の傍ら株をころがしているような人まで、いろんな人がうごめきだします。
2月14日以降、ここまでのあや戻しは、一瞬だけ回復局面がみられ、リーマン・ショック後の相場低迷のトラウマが吹き飛んだかのように錯覚されました。もしあのまま、強気筋が台頭し、さらに提灯をつける人たちが出てくれば、どんよりしていた相場の様相が一変するかとも思われましたが、結局、元の定位置に戻ってしまいました。
かなり長い間、相場が底ばいだったので、疑心暗鬼の状態が続いていますが、上昇相場というのは暴落とはまた一味違って、祭りと同じで、有象無象を引き付ける魅力があるので、政策介入でインチキであったとしても、上昇する際のパワーは決して、侮れないと思います。
一般に上昇相場は、日々の値幅はそれほどではないのですが、時間をかけて上昇するので、なかなか、相場が反転するまでに時間がかかります。しかも先物は限月があるので、長期的には大恐慌の可能性を考慮しますが、ショートで踏まれた場合のリスク管理、資金管理は厳重にしておいた方がいいと思います。
私自身、どちらかというとロングの方が得意なので、上昇相場の方が乗りやすく、2月中旬以降、8000円台で出遅れたとはいえ、そこそこ利益は上がったので、うれしかったのですが、上昇が続くと、増長する人たち(1ドル=200円説を唱えるような人たち)が出てくるので、それを考えると憂鬱な部分もあります。
一番うざいのは、“自信を取り戻した”欧米人ですね。政策介入のタマが切れない限り、しばらくは偽りの景気回復局面が続くでしょうから、ちょっとでも相場が上昇すると、サブプライム問題やらソブリン問題やら重しになっていた物が一切合財、取れたような錯覚を起こして、いろいろと世界にちょっかいをかける機運が高まるでしょう。さらに増長して日本に対してもいろいろと、インチキを仕掛ける機会も増えることが予想されます。
金融ばくちや不動産ころがしなど、やくざ体質が染みついた人たちが、またぞろ横行するのは、本当にうっとおしいものです。害虫駆除の方法を考えておくべきでしょう。
円高傾向が緩む場合は、相対的に欧米だけでなく、アジア通貨なんかも高くなるでしょうから、勘違いした韓国人なんかが、日本のあちこちで跋扈することでしょう。韓国人は長年他国に支配され性格が歪んでいるし、米国に事大し、言いなりになっていろいろと仕掛けてくるので最悪です。日本のメーカーが競争力を取り戻すことは、いい側面だとは思いますが、円安が全面的にいいことだとは思えませんね。
国内でもまたいろんな投資ブームが湧きおこることでしょう。しょうもないデイトレーダーや、スワップ金利がどうのこうの言う主婦とか、頭の悪い奴らが好き勝手なことを言い、派手なパフォーマンスをし、自覚もなく無責任に相場を荒らしていく。
まあ、こちらはそれらも織り込んだうえで、マーケットに臨むわけですが、春から夏にかけて、益虫、害虫を問わず、いろんな虫がわいてでるように、いろんな人たちが跳梁跋扈することでしょう。
もうしそうなれば、それもまた現実ですね。ショートにやたらとこだわった人たちがほぼ殲滅されてしまったように、いずれ秋、冬が訪れるでしょうから、そこで益虫は活動を停止し、害虫の皆さんもかなり駆除されることでしょう。自然のバイオリズムみたいなものもあるでしょうね。
私たち自身、益虫なのか害虫なのか分かりませんが、それらの枠を一歩踏み越えて、夏にも冬にも対応できる準備をしておく必要があります。
上昇相場を続けるのであれば、害虫の皆さんにお付き合いし、ロング主体で臨むだけの話だし、突然、暴落するなら手のひらを反して、売り向かうのみです。周りの騒音を気にせず、自分たちは自分たちなりに生き残る方策を徹底的に追求するべきでしょうね。
2月14日以降、ここまでのあや戻しは、一瞬だけ回復局面がみられ、リーマン・ショック後の相場低迷のトラウマが吹き飛んだかのように錯覚されました。もしあのまま、強気筋が台頭し、さらに提灯をつける人たちが出てくれば、どんよりしていた相場の様相が一変するかとも思われましたが、結局、元の定位置に戻ってしまいました。
かなり長い間、相場が底ばいだったので、疑心暗鬼の状態が続いていますが、上昇相場というのは暴落とはまた一味違って、祭りと同じで、有象無象を引き付ける魅力があるので、政策介入でインチキであったとしても、上昇する際のパワーは決して、侮れないと思います。
一般に上昇相場は、日々の値幅はそれほどではないのですが、時間をかけて上昇するので、なかなか、相場が反転するまでに時間がかかります。しかも先物は限月があるので、長期的には大恐慌の可能性を考慮しますが、ショートで踏まれた場合のリスク管理、資金管理は厳重にしておいた方がいいと思います。
私自身、どちらかというとロングの方が得意なので、上昇相場の方が乗りやすく、2月中旬以降、8000円台で出遅れたとはいえ、そこそこ利益は上がったので、うれしかったのですが、上昇が続くと、増長する人たち(1ドル=200円説を唱えるような人たち)が出てくるので、それを考えると憂鬱な部分もあります。
一番うざいのは、“自信を取り戻した”欧米人ですね。政策介入のタマが切れない限り、しばらくは偽りの景気回復局面が続くでしょうから、ちょっとでも相場が上昇すると、サブプライム問題やらソブリン問題やら重しになっていた物が一切合財、取れたような錯覚を起こして、いろいろと世界にちょっかいをかける機運が高まるでしょう。さらに増長して日本に対してもいろいろと、インチキを仕掛ける機会も増えることが予想されます。
金融ばくちや不動産ころがしなど、やくざ体質が染みついた人たちが、またぞろ横行するのは、本当にうっとおしいものです。害虫駆除の方法を考えておくべきでしょう。
円高傾向が緩む場合は、相対的に欧米だけでなく、アジア通貨なんかも高くなるでしょうから、勘違いした韓国人なんかが、日本のあちこちで跋扈することでしょう。韓国人は長年他国に支配され性格が歪んでいるし、米国に事大し、言いなりになっていろいろと仕掛けてくるので最悪です。日本のメーカーが競争力を取り戻すことは、いい側面だとは思いますが、円安が全面的にいいことだとは思えませんね。
国内でもまたいろんな投資ブームが湧きおこることでしょう。しょうもないデイトレーダーや、スワップ金利がどうのこうの言う主婦とか、頭の悪い奴らが好き勝手なことを言い、派手なパフォーマンスをし、自覚もなく無責任に相場を荒らしていく。
まあ、こちらはそれらも織り込んだうえで、マーケットに臨むわけですが、春から夏にかけて、益虫、害虫を問わず、いろんな虫がわいてでるように、いろんな人たちが跳梁跋扈することでしょう。
もうしそうなれば、それもまた現実ですね。ショートにやたらとこだわった人たちがほぼ殲滅されてしまったように、いずれ秋、冬が訪れるでしょうから、そこで益虫は活動を停止し、害虫の皆さんもかなり駆除されることでしょう。自然のバイオリズムみたいなものもあるでしょうね。
私たち自身、益虫なのか害虫なのか分かりませんが、それらの枠を一歩踏み越えて、夏にも冬にも対応できる準備をしておく必要があります。
上昇相場を続けるのであれば、害虫の皆さんにお付き合いし、ロング主体で臨むだけの話だし、突然、暴落するなら手のひらを反して、売り向かうのみです。周りの騒音を気にせず、自分たちは自分たちなりに生き残る方策を徹底的に追求するべきでしょうね。
原発は必要か?
国内の原子力発電所がすべて停止したことで、エアコンなど電力需要が集中する夏場のピーク時をどう乗り切るかが課題になっています。ただ、現在のところは、気候が良く、電力需要が少ない季節であるということが大きいのですが、原発がなくて、電力需給には全くといっていいほど問題はありません。
昨年の今頃を振り返ってください。東京電力管内では3月11日の東日本大震災、福島第1原発事故で、突然、電力供給が大きく落ち込み、一時、計画停電が行われ、4月中旬ぐらいには停電はなくなりましたが、公共施設では空調を弱めたり、照明を落としたりしました。電車の間引き運転が行われて日中、電車がなかなか来なくて不便だったり、駅のエスカレーターが止められ、地下の深いところを走っている都営大江戸線を頻繁に利用する私は、階段の上り下りに苦労しました。ダイエットには貢献してくれましたが。
現在は、かなりの節電が行われていますが、生活にまったく支障はなく、停止中の火力発電所をフル稼働したり、石油化学や製鉄など工場が持っている発電施設を動かしたり(埋蔵電力の発掘)することで、そこそこ対応できています。東電管内も3月に柏崎刈羽原発が全停止して以降、原発ゼロが続いていますが、この夏は、節電は必要という状況は変わっていないものの、深刻な電力不足には陥っておらず、むしろ他電力に融通する側に回っています。
高度成長時代は、製造業が日本経済をけん引していたので、手っ取り早く、安定して大きな電力が得られる原発は、経済を支えるためにやむを得ないものでした。2度の石油ショックで、エネルギーの確保や価格高騰が問題になったこともあり、まさに時代のニーズでした。
いつしか、原子力に対するアレルギーも薄らぎ、「原発がなければすべて成り立たない」みたいな風潮になったのですが、この一年の動きを見ていると、本当に目からうろこなのですが、「原発なくてもやっていけるじゃん」と見方が百八十度転換しました。
火力発電所をそれぞれの電力会社管内で、1~2か所増設し、省エネ家電の普及拡大、節電努力、発電効率がいい場所にある一戸建て住宅での太陽光発電の導入により、電力は、ほぼまかなえるでしょう。
問題は、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)価格でしょう。日本は足元を見られて、バカ高い価格のLNGを買わされています。これは今後、外交努力を一層強め、価格交渉力を高めることが必要です。
米国がシェールガス開発でエネルギーの自給傾向を強め、世界的にはLNGがだぶつき気味であり、決して価格交渉は難しくはないでしょうし、より価格の安い石炭を使って発電すればいい。日本の石炭火力発電の技術は、効率性、低公害性などいずれをとっても世界最先端です。原発に費やされた公的資金を火力の推進に使えばそれもコスト低減につながるはずです。
脱原発は利権集団をだまらせれば(経団連、既存の電力会社)、意外と簡単でしょうけど、原子力は一定程度維持すべきだとも思っています。
エネルギーを自給できない以上は、あらゆる可能性を想定して、多様なエネルギー源を維持しておくべきでしょう。日本の電気事業は特定のエネルギーに頼らない「ベスト・ミックス」の考えに基づき、運営されてきましたが、原子力に過度に依存しなかったからこそ、原発が止まっても、深刻な電力不足に陥らなかったのです。火力発電だって、原発ほどではないにしても、何か落とし穴があって、突然供給停止にならないとは限りません。そこはリスク・ヘッジとして考えておく必要があります。
あとは、主に新興国では、これから原子力発電の開発が本格化します。ビジネスとして考えた場合、原子力の建設よりも、むしろオペレーションやメンテナンス、核廃棄物処理、あるいは燃料再処理などの方がうまみがあるし、ニーズは高いと思います。
今後、20~30年はこの傾向は続くでしょうから、技術、ノウハウを蓄積し、ビジネスを展開する上でも、一定程度、原子力を残しておく必要はあるでしょうね。
それと並行して、これまでは放射線や核廃棄物を生み出す核分裂による発電でしたが、核融合によりエネルギーを取り出す研究も本格化させ、脱原発というよりは、「ポスト原発」を見据えて、本気で取り組むべきでしょうね。これは経済成長だけでなく、安全保障も視野に入れた国家戦略として進めるべきでしょう。
日本では、ちょっと大きめの原発事故にすっかり縮み上がってしまい、原発問題は極めてナイーブな議論しか行われませんが、世界は、豊かさをめざし、多少危なかろうがなんだろうが、原発をどんどん建設し、成長を追い求める動きを強め、その勢いはちょっとやそっとのことでは止まりそうにありません。
それがまさに歴史のダイナミズムであり、世界の辺境にあり、今なお、豊かさボケ、平和ボケしている日本人にはなかなか理解できないでしょうね。人間はいったん手にした「便利な」者については、なかなか手放そうとしないし、手放せないものなのです。
日本の場合は、アメリカ様の言いなりでしか動けないので、この問題も、福島原発事故の処理と合わせて、命運は他人任せでしょう。情けないことですけどね。ただ、エネルギー問題について、ある程度達観しておかないと、将来を見誤ることにもならないので、きちんと整理しておく必要はあります。
昨年の今頃を振り返ってください。東京電力管内では3月11日の東日本大震災、福島第1原発事故で、突然、電力供給が大きく落ち込み、一時、計画停電が行われ、4月中旬ぐらいには停電はなくなりましたが、公共施設では空調を弱めたり、照明を落としたりしました。電車の間引き運転が行われて日中、電車がなかなか来なくて不便だったり、駅のエスカレーターが止められ、地下の深いところを走っている都営大江戸線を頻繁に利用する私は、階段の上り下りに苦労しました。ダイエットには貢献してくれましたが。
現在は、かなりの節電が行われていますが、生活にまったく支障はなく、停止中の火力発電所をフル稼働したり、石油化学や製鉄など工場が持っている発電施設を動かしたり(埋蔵電力の発掘)することで、そこそこ対応できています。東電管内も3月に柏崎刈羽原発が全停止して以降、原発ゼロが続いていますが、この夏は、節電は必要という状況は変わっていないものの、深刻な電力不足には陥っておらず、むしろ他電力に融通する側に回っています。
高度成長時代は、製造業が日本経済をけん引していたので、手っ取り早く、安定して大きな電力が得られる原発は、経済を支えるためにやむを得ないものでした。2度の石油ショックで、エネルギーの確保や価格高騰が問題になったこともあり、まさに時代のニーズでした。
いつしか、原子力に対するアレルギーも薄らぎ、「原発がなければすべて成り立たない」みたいな風潮になったのですが、この一年の動きを見ていると、本当に目からうろこなのですが、「原発なくてもやっていけるじゃん」と見方が百八十度転換しました。
火力発電所をそれぞれの電力会社管内で、1~2か所増設し、省エネ家電の普及拡大、節電努力、発電効率がいい場所にある一戸建て住宅での太陽光発電の導入により、電力は、ほぼまかなえるでしょう。
問題は、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)価格でしょう。日本は足元を見られて、バカ高い価格のLNGを買わされています。これは今後、外交努力を一層強め、価格交渉力を高めることが必要です。
米国がシェールガス開発でエネルギーの自給傾向を強め、世界的にはLNGがだぶつき気味であり、決して価格交渉は難しくはないでしょうし、より価格の安い石炭を使って発電すればいい。日本の石炭火力発電の技術は、効率性、低公害性などいずれをとっても世界最先端です。原発に費やされた公的資金を火力の推進に使えばそれもコスト低減につながるはずです。
脱原発は利権集団をだまらせれば(経団連、既存の電力会社)、意外と簡単でしょうけど、原子力は一定程度維持すべきだとも思っています。
エネルギーを自給できない以上は、あらゆる可能性を想定して、多様なエネルギー源を維持しておくべきでしょう。日本の電気事業は特定のエネルギーに頼らない「ベスト・ミックス」の考えに基づき、運営されてきましたが、原子力に過度に依存しなかったからこそ、原発が止まっても、深刻な電力不足に陥らなかったのです。火力発電だって、原発ほどではないにしても、何か落とし穴があって、突然供給停止にならないとは限りません。そこはリスク・ヘッジとして考えておく必要があります。
あとは、主に新興国では、これから原子力発電の開発が本格化します。ビジネスとして考えた場合、原子力の建設よりも、むしろオペレーションやメンテナンス、核廃棄物処理、あるいは燃料再処理などの方がうまみがあるし、ニーズは高いと思います。
今後、20~30年はこの傾向は続くでしょうから、技術、ノウハウを蓄積し、ビジネスを展開する上でも、一定程度、原子力を残しておく必要はあるでしょうね。
それと並行して、これまでは放射線や核廃棄物を生み出す核分裂による発電でしたが、核融合によりエネルギーを取り出す研究も本格化させ、脱原発というよりは、「ポスト原発」を見据えて、本気で取り組むべきでしょうね。これは経済成長だけでなく、安全保障も視野に入れた国家戦略として進めるべきでしょう。
日本では、ちょっと大きめの原発事故にすっかり縮み上がってしまい、原発問題は極めてナイーブな議論しか行われませんが、世界は、豊かさをめざし、多少危なかろうがなんだろうが、原発をどんどん建設し、成長を追い求める動きを強め、その勢いはちょっとやそっとのことでは止まりそうにありません。
それがまさに歴史のダイナミズムであり、世界の辺境にあり、今なお、豊かさボケ、平和ボケしている日本人にはなかなか理解できないでしょうね。人間はいったん手にした「便利な」者については、なかなか手放そうとしないし、手放せないものなのです。
日本の場合は、アメリカ様の言いなりでしか動けないので、この問題も、福島原発事故の処理と合わせて、命運は他人任せでしょう。情けないことですけどね。ただ、エネルギー問題について、ある程度達観しておかないと、将来を見誤ることにもならないので、きちんと整理しておく必要はあります。