2011年12月29日のマーケット予想

株:NYダウ急落
28日の米株式市場は、この日行われたイタリアの短期国債の入札で、入札利回りが前回から大幅に下回り、応札倍率も前回を上回ったことを好感し、上昇して始まった。しかし、ECBのバランスシートが過去最大に膨らんだことや、29日に行われるイタリアの10年債と3年債の国債入札を控えて、警戒感も強まっていることなどから、徐々に売りが膨らむ展開となり、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比139.94ドル安の12,151.41ドルで引けた。
本日の東京市場では、米株式市場が下落しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,370円となっており、株式市場の予想レンジとしては8,300円−8,450円となっている。

為替:ユーロが下落
28日の外国為替市場では、この日行われたイタリアの短期国債の入札が堅調だったことから、ユーロが上昇する場面もあったものの、29日に10年債と3年債を含む総額最大85億ユーロの大規模な国債入札が控える中で、警戒感が広がり、ユーロが下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は77円台後半、ユーロドルは1.29ドル台前半となっている。
本日は、イタリアの国債入札に注目が集まっている。経済指標の発表では、週間新規失業保険申請件数(予想:37.5万件)、12月シカゴ購買部協会景況指数(予想:61.0)などの経済指標の発表が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては77.50−78.20円となっている。

商品:NY原油急落
28日のNY原油先物取引は、イランが、原油輸送の要であるホルムズ海峡の封鎖に踏み切ることに対して懐疑的な見方が浮上したことや、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことなどが嫌気され、急反落となった。中心限月の2月限の終値は、前営業日比1.98ドル安の1バレル99.36ドルで引けた。
NY金先物取引では、前日に引き続き、テクニカル上の下値支持線を割り込んだことを嫌気した売りが出たことに加えて、為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことなどが売り材料となり、5日続落となった。中心限月の2月限の終値は、前営業日比31.40ドル安の1オンス1,564.10ドルで引けた。