2011年8月29日のマーケット予想

株:NYダウ反発
26日の米株式市場は、バーナンキFRB議長がジャクソンホールでの講演で、具体的な追加金融緩和などを示さなかったことが嫌気され、一時11,000ドルの大台を割り込んだ。しかし、同時にFRB議長は、9月のFOMCを1日延長し追加緩和策を検討すると表明し、9月のFOMCで何らかの対策を講じるのではないかとの期待感が広がり、上昇に転じた。ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比134.72ドル高の11,284.54ドルで引けた。
本日の東京市場では、欧米株式市場が上昇する一方、為替市場で円高が進行するなど、強弱材料が交錯していることや、民主党代表選を控える中で、動きづらいとの声がある。シカゴ先物市場の日経平均先物が8,795円となっており、市場の予想レンジとしては8,700円−8,850円となっている。

為替:ドルが下落
26日の外国為替市場では、バーナンキFRB議長がジャクソンホールでの講演で、景気回復を促す追加刺激の具体策を示さなかったことが嫌気され、ドルが下落する展開となった。NY終値ベースで、ドル円は76円台半ば、ユーロドルは1.45ドル近辺となっている。
本日は、米6月中古住宅販売保留(予想:前月比-1.5%)などの経済指標の発表や、トリシェECB総裁の講演が予定されている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.30−77.30円となっている。

商品:NY金続伸
26日のNY原油先物取引は、バーナンキFRB議長の講演直後に売りが膨らみ、一時82.95ドルを付けた。しかし、市場ではいずれ追加金融緩和策が講じられるとの楽観的な見方が広がったことや、米東海岸を北上するハリケーン「アイリーン」が及ぼす被害への警戒感も加わり、買い戻される展開となった。中心限月の10月限の終値は、前営業日比0.07ドル高の1バレル85.37ドルで引けた。
NY金先物取引では、バーナンキFRB議長の講演直後に一時的に下落した。しかし、FRBが今後数四半期の回復ペースの見通しを引き下げるなど、米経済の先行きに対する悲観的な見方から、いずれ追加金融緩和策が講じられるとの見方が広がる中、急速に買い戻される展開となり、中心限月の12月限の終値は、前営業日比34.10ドル高の1オンス1,797.30ドルで引けた。