ドル円最高値更新
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3月11日に発生した東日本大震災の被害が広がり、原子力発電所の問題がクローズアップされている。一般的に地震は通貨にとって売り要因である。だが今回は、ドル円為替レートで円高が進み、3月17日の早朝に1ドル=76円25銭をつけ、史上最高値を更新した。
今回の円高の主因は、日本の投資家による「外貨建て資産の売却」ではないかと言われていた。投資家の行動を考えた場合、株式など自国の資産が売られて手持ちの金融資産が目減りした場合に、海外の資産を売却してその穴埋めをすることがある。そのため株価が下がれば下がるほど円高に進む、というわけだ。実際、図2のように日本の株価の下げが円の為替レートの上昇を先導したようにも見える。
東日本大震災後、1ドル=76円25銭の最高値まで進んだ超円高が波紋を広げている。震災と計画停電の打撃に加え、中小企業を直撃したのが、「為替デリバティブ(金融派生商品)」の損失だ。
「こんなに損失が膨らむとは思ってもいなかった」
横浜市にある自動車関連の中小企業の社長は乾いた声でこう語った。地震による直接の被害は免れたが、取引先には死傷者も出ており、業績への悪影響は避けられない。そんな矢先、追い討ちをかけたのが過去に契約した為替デリバティブの損失拡大だった。
この会社の年間売上高は約16億円、純利益は約1億5000万円だが、為替デリバティブによる損失が5000万円規模の減益要因になっている。
3月11日に発生した東日本大震災──。既存の統治システムを変革すれば日本経済を再生させることができると主張してきた荒井裕樹氏は、今回の大震災によって深刻な打撃を受けた日本の窮状を憂う。それでも荒井氏は日本の復興を信じ、力説する。復興の決め手は、危機感に裏付けられた「結束力」にあると。
東日本大震災によって壊滅的な打撃を受け、一瞬にして街ががれきの山と化した。その衝撃的な光景に、本コラムの第4回で述べた、「焼け野原」に立つ我が国経済の姿が重なって見えた。震災後の日本経済はますます厳しい状況に追い込まれるだろう。
東京電力の福島第1原子力発電所で起きた事故は、安全性を最大の売り文句の一つとして官民が協力体制を築き、国を挙げて世界に売り込んできた原発事業の先行きを険しくしている。
まず、東日本大震災で亡くなられた方々に対し心より哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈りします。
また、被災地で肉体的にも精神的にも辛く厳しい生活を強いられている方々、福島第一原子力発電所で作業にあたられる方々、そして多くの方々に対し精一杯のエールを送らせていただきます。
今回は、立法府で働く者として復旧復興関連法について書かせてもらいます。
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救援・復旧が進む中、法整備の議論も始まっています。
私が属する民主党でも3月16日に「復旧・復興特別立法チーム」(中川正春座長)が立ち上がり、私も法制度の議論に参加しています。当然、自民党や公明党においても議論が始まっており、自民党は「東日本大震災復興基本法案」を策定し、今国会への提出を目指す考えを示しています。
中東の動乱に象徴されるように、政策運営への有権者の参画のあり方をどう考えるかが、各国政府の大きな課題になっている。米国では、財政を巡る議論の公開性が高まる一方で、通商政策の議論は閉じられたままだ。
財政赤字の議論を丸裸にしたベイナー下院議長
「議会は公開の場で存分に議論をつくしている。賞賛に値する」
「(地元や支持者の意見に左右されないように)議会での採決の機会を少なくするべきだ」
3月初めにワシントンで筆者が聴講したある会合。登壇した識者から、正反対の方向性の発言が飛び出した。前者は財政再建、後者は通商政策に関する話題。財政赤字と貿易赤字という「双子の赤字」について、議論の公開性に対する姿勢は真っ2つに分かれた。