海外勢が投機的「円買い」を主導(超円高 16年ぶり記録更新)

 円高の加速が止まらない。日本時間17日早朝の外国為替市場で、円の対ドル相場は一時1ドル=76円25銭近辺と、前日の東京市場の終値に比4円以上も急騰。1995年4月19日に付けた79円75銭の過去最高値を16年ぶりに更新した。  東日本巨大地震の影響で国内企業が海外資産を売却して円に換金するとの思惑や、津波の被害を受けた福島第一原子力発電所の放射線漏洩問題が深刻化する過程で、「投資家のリスク回避=円買い」との過去の経験則を強く意識した投機的な円買いも誘発したためだ。  急激な円高を受け、東京株式市場では輸出関連銘柄を中心に売りが殺到。日経平均株価は取引時間中に一時8600円台まで下げ幅を広げる場面があった。

日経平均前場終値8760.00円

日経平均後場8895.45円で取引スタート。
日経平均前場ギャップダウンでスタート。その後は下げ幅を拡大させる場面もあったが引けにかけて値を戻す。

前場値動きの強い銘柄
4751 サイバーエージェント
3632 グリー
3092 スタートトゥデイ
2766 日本風力開発
2371 カカクコム
3116 トヨタ紡織
6269 三井海洋開発
6305 日立建機
7606 ユナイテッドアローズ
6794 フォスター電機
4185 JSR
7613 シークス
7259 アイシン精機
6460 セガサミーホールディングス
4755 楽天

前場ストップ高つけた銘柄
8910 サンシティ
1971 中央ビルト工業
4364 マナック
4239 ポラテクノ
6636 シスウェーブ
9914 植松商会

前場ストップ安つけた銘柄
4798 エル・シー・エーホールディングス
2345 システム・テクノロジー・アイ
3826 システムインテグレータ
6786 リアルビジョン
6836 ぷらっとホーム
8992 日本レップ
5721 エス・サイエンス
6429 タイヨーエレック
7623 サンオータス
8738 ひまわりホールディングス
8836 RISE


2011年3月17日のマーケット予想

株:NYダウ続落
16日の米株式市場は、日本で発生した大地震の被害や原発事故の拡大に加えて、同日発表された米2月住宅着工件数が47.9万件と先月から大幅に低下したことなどが嫌気され、下落して始まった。さらに、午後に入り、福島原発からの放射性物質の流出を食い止めるための作業が難航し、在日本米国大使館が避難勧告の範囲を半径80キロ圏まで広げたことが伝わると、一気に値を下げる展開となり、ダウ工業株30種平均の終値は、前営業日比242.12ドル安の11,613.30ドルで引けた。
本日の東京市場では、福島原発の事態悪化を受けて各国の株式市場が急落し、為替市場でも大幅な円高が進行しており、株式市場にとってマイナス材料となりそうだ。市場の予想レンジとしては8,800円−8,200円となっている。
 
為替:円が買われる
16日の外国為替市場では、前日に引き続き、日本で発生した大地震の影響を受けて、円キャリートレードの巻き戻しが起こっていることなどを受けて、円が主要通貨に対して上昇し、ドル円は一時76円台前半まで急騰し、史上最高値を更新する展開となっている。
本日は、米2月消費者物価指数(予想:前月比+0.4%)、週間新規失業保険申請件数(予想:38.7万件)、米2月鉱工業生産(予想:+0.6%)などの経済指標の発表が予定されている。さらに、被害が拡大する福島原発や急激な円高を受けた日銀の円売り介入などの動向にも注目が集まっている。本日のドル円の市場の予想レンジとしては76.00−80.00円となっている。

商品:NY金反発
16日のNY原油先物取引は、リビアで政府軍と反体制勢力が各地で衝突し、一段の事態悪化が懸念されたこと、バーレーンで非常事態宣言が発動されたことなどを背景に、買いが先行し、一時99.60ドルを付けた。しかし、午後に入り、米株式市場が急落したことを受けて、大きく上げ幅を縮める展開となり、中心限月の4月限の終値は、前日比0.80ドル高の1バレル97.98ドルで引けた。
NY金先物取引では、原油価格の急騰を受けた買いが入り、一時1,400ドルを回復したものの、午後に入り、原油価格や株式市場に連れて値を削る展開となり、中心限月の4月限の終値は、前営業日比3.30ドル高の1オンス1,396.10ドルで引けた。      

                                                                                          

日本は再び、「新商品」を産み出せるようになるか(後編)(ニッポンを俯瞰する基軸〜“思考停止”のあなたへ〜)

(前編から)  いま日本が明治維新以降140年以上かけて進めてきた軽工業から重工業に到る近代工業化を、中国は僅かこの20年の間に日本の技術や資本を活用しつつ、華僑ネットワークを使い溢れる世界の資本を上手に引き寄せ活用しながら、各分野同時並行的に猛烈なスピードで進めて来たといえます。かつて1800年代から1900年代にかけて、押し寄せる帝国主義諸国に良いように食い物にされた経験を、反面教師として充分に活用したのでしょう。  明治維新からの日本近代産業史を手繰ると、それまでの伝統的技術の上に西欧から導入された技術が上乗せされた流れがあります。  最も初期から発展して行ったのは、鉱業からの流れです。

英語が得意でない人のための留学のコツ(統計学者吉田耕作教授の統計学的思考術)

 今回は少々趣を変えて、留学についてお話をしよう。留学については、この日経ビジネスオンラインでも多数回取り上げられているが、著者の多くはもともと英語への適性を持った方々であったり、極めて若い時から英語を話す機会に恵まれたりする人のお話が多いような気がする。  私は英語に適性があったわけでもなく、20代も終わりの頃に、しかもあまり日本で英会話を勉強する環境もなかった1965年に米国に留学した。そして、何度か、“もう日本へ帰れ”と言われたりしたにもかかわらず、32年間米国に在住した。その間、大学で教え、幸運に恵まれた結果、米国では1986年から1997年の間に150回以上色々な会議やセミナーで講演した。

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