なんとなくまだ、正月の余韻が残りますが、1月もあとのこりわずか。幸いというべきなのでしょうが、私自身、昨年までの残務整理(大掃除や身辺の整理、リストラ、ダイエット)があったので、装いを新たに新年をスタートするという態勢にはなっておらず、1月中旬まで金融市場も大して動かなかったので、余裕をもって(本当はもっと緊張感を持って日々を過ごすべきなのでですが)、身の回りのことに専念していました。
残務整理とはいっても、ただ単に昨年中にたまったゴミの大掃除ではなく、リーマン・ショック後、この約3年間の総括と垢落としと、これから3年先、5年先を見据えて、身軽にしておこうという意図もあります。だから、後ろ向きなものではなく、前進するための準備だと位置付けています。
世の中は1980年代に行政改革に大ナタを振るった、財界人、土光敏夫氏のブームということで、本なんかもよく売れているようです。
土光氏は鈴木政権のもと、のちに首相になる中曽根康弘氏(当時は行政管理庁長官)と二人三脚で、国鉄や専売公社(たばこ、製塩事業)、電電公社の民営化に尽力するわけですが、中曽根氏がからむということで、米国の影がちらつくことはさておいて、年間2兆円の赤字を垂れ流すまでに、モンスター化した国鉄を解体した実績は、正当に評価すべきでしょう。
国労という労働組合の名を借りた、ごろつき集団と徹底的に対話をすることで、荒廃の極みにあった鉄道事業を立て直した功績は、現在、JRが利益を上げ、納税することで国の財政に寄与し、しかも私たちが快適にJRを利用できていることを考えると、言葉では言い尽くせないものがありますね。
こうした目に見える実績もさることながら、私が土光氏について注目しているのは、「清貧」であったことです。正直、あまり「清貧」「清貧」言われると、胡散臭いし、経済発展の原動力は今の中国を見てもわかるとおり、「豊かな生活をしたい」「裕福になりたい」という、「欲」による部分は大きいと思います。
ただ、欧米や日本のように、豊かになりすぎると、モチベーションが低下したり、想像力が欠如してしまい、豊かさを維持するどころか、金融ばくちや不動産ころがしに走るという、破滅的な状況に陥っています。
「清貧」であることが目的ではなく、モチベーションを持続するための知恵ですよね。常にある程度、お腹が空いた状況であれば、「あれを食べたい」「これを食べたい」「こうしたらおいしく食べれるのに」と、食に対するモチベーションを維持でき、いろいろと想像力も働かせることもでき、伸びシロを残すことができます。
「常に身を最低辺に置いておけば、何にも動じることはない」という、土光氏の姿勢は、一番学ぶべき部分が多いと思います。失うものがなければ、別に何が起きても怖くありません。米国から何を要求されようと、中国や北朝鮮が襲ってくると脅されようと、いざというときは腹をくくれますよね。
「めざしの土光さん」と呼ばれたように、食生活をはじめ、企業トップになってからも電車通勤をするなど、質素な生活で知られる土光氏ですが、必要最低限の生活で済ますことに慣れていれば、大恐慌、不況だろうが怖くありません。
これは自分自身への反省と自戒もあるのですが、豊かさに慣れ過ぎると、弊害が大きすぎます。豊かさを捨てきれずに、何も行動ができなくなりますからね。国際線に乗ると、エネルギーをいたずらに浪費し、飽食の限りを尽くしぶくぶくと太った欧米人の醜さが目立ちますが、他人ながら心配してしまいます。
私はもともと、金をかけるところには金をかけ、必要のないところは節約するタイプなので、質素な生活にはそれほど違和感はありません。
ラーメンだ、北海道グルメだ、このブログでもいろいろと紹介していますが、普段はご飯(炊飯器には金をかけていますが)と、納豆と、味噌汁で十分です。洋風ならパスタとサラダ。
トレードがブームになった時も、3面ディスプレーのパソコンとか流行りましたが、私は、ノートパソコン1台で十分でした。しかもデルの格安、ハイスペックモデルです。FXも先物もブログの執筆もすべて、パソコン1台です。
身の回りをコンパクトにして、いざとなれば必要なものだけ持ち出して、後は捨てれるくらいの状態にするのが理想ですね。まだまだ精進が足りませんが、一歩一歩前進したいと思います。
いろいろなものを捨てて、スリムにしたことで、既成概念にとらわれないようになりましたね。「何が本当に大切なのか」ということが少しずつ見えてきました。そして、次に何が来るのかもうっすらと見えるようになりました。
今までは欧米国家破綻、金融恐慌の影におびえていましたが、その先には、新しい時代が来るということに視点がいくようになりましたね。最近、やたらと「中国」「中国」と言い立てているのはそのためです。
もちろん中国と言っても、上海とか深センとか大連とか北京とか、沿岸部やこれまで発展してきた大都市に目が行ってしまうのですが、これからはもっと内陸部にスポットが当たるし、世界の重心が移ることにもなるでしょう。
時代の動きを的確にとらえ、わずかでも先に行くことができれば、「勝ち組」になれるし、そのチャンスは少なからずあります。日本にいることのメリットは、自分たちの過去の経験から未来予測できることです。
一番馬鹿なのは、ぐだぐだと言い訳や、偉そうなことばかり並べ立てて、何もしないで終わることです。陰謀論者や他人の批評しかできない引きこもりは最悪です。欧米の陰謀によって世界がどん底に突き落とされるとして、その人たちはどうやって生きていくのでしょうか? 陰謀論を知っていてそれが的中したからといって偉いのでしょうか? 何の役に立つのでしょうか? 政治家をはじめ、他人の批評をするのは簡単ですが、それが何になるというのでしょうか? 自分自身は立派に行動できるのでしょうか?
時機を的確にとらえ行動するならば、チャンスが多い時代といえるでしょう。だからこそ、既成概念や常識にとらわれず、行動すべき時には、行動するべきだと思います。
世の中が全体的にリセットされるわけですから、うまくすれば、引きこもりだって、社会の役に立つ、あるいはリードする立場になれるかもしれないのです。
失うものがなければ楽に身軽に新しいことをできるではないですか。常識やこれまで限界とされてきたことを突破して、新しい時代に向かって進みたいですね。
タグ別アーカイブ: 評論
辺境
今年は「中国に対する先入観を取り払うべきだ」としつこく言い続けるつもりですが、そのようなことを言っている時点でもはや出遅れているし、負け組だと思っておいてください。歴史が動くスピードは、どんどん速くなっています。すでに人より遅れているのだから、今日、明日にでも行動するくらいのスピード感が必要です。
中国は英国や米国から遅れて、100年も200年も後に台頭する帝国なので、今までの世界帝国と何が違うのかを分析する必要があります。英国や米国は他国に戦争を仕掛けたり、虐殺をはじめ野蛮の限りを尽くして、のし上がった帝国ですが、さすがに21世紀なので、そうそう無茶はできません。
もちろん、すでにいろいろと報じられたり、巷間言われているように、中国が野蛮な部分を残していることは事実だし、国内の少数民族や、海外進出した現地の人々と摩擦があることは事実です。そういう面をクローズアップすると中国に対する嫌悪感しか持てないでしょう。
また、国際政治の舞台は、日本人が考えているような甘い世界ではないので、中国は手持ちのカードを最大限に生かすべく、いろいろと嫌がらせをしてくるでしょう。それに対しては、こちらもしたたかに対応していく必要があるし、的確に反応しないとやられっぱなしになります。逆に中国自身が学ぶ面もあるでしょう。
ただ、それは政治の仕事であり、はっきり言って私たちの日常生活とは全く関係のない、浮世離れした世界です。すでに経済では、中国を中心に世界は回りつつあるし、無視できない存在です。というよりは、中国の動きについていかなければこの先数十年、すくなくとも5年、10年は食いっぱぐれることになります。決して侮ってはいけないのです。
中国が台頭するということは、とりもなおさず、世界の中心がユーラシア大陸内部に移るということです。ということは必然的に、私たちの住む、日本列島というのは、世界の辺境になってしまうということです。
15世紀以降の海洋の時代では、海を通じて人や物が動いたので、海に囲まれている日本は、“極東”ではあっても、それなりに交通の要衝でもあったので、アドバンテージを得ることができましたが、これからは、地理的に劣勢であることを認識しておく必要があります。
「移動手段に飛行機があるし、インターネットで世界とつながっているじゃないか」という意見もあるでしょうが、じゃあ、移動が容易で情報のやり取りが容易になったからといって、たとえば北のはずれの稚内に脚光が集まりますか? 沖縄の離島に人が集まりますか? 住みやすくなりましたか? と問いたいですね。
米国なんて、広大な平野が広がり、しかも自然豊かで、人間が暮らすのに適した気候です。空港もネット回線もあります。にもかかわらず、世界の誰からも注目されない田舎都市しかありませんね。
やはり人や物、金、情報が集まるところが世界の中心なのです。ユーラシア大陸内部に世界の人口のほとんどが集中しているわけだし、そこに都市ができ、人や物、金、情報が集積すれば、新しい“帝都”ができるのです。そのダイナミズムを理解する必要がありますね。
英国や米国は時代のスピードが遅く、しかも限られた条件の中での帝国だったのですが、これからできるのは公害や水、食料、エネルギーなど技術的な課題が次々とクリアされ、制約がどんどんなくなっていくなかでの新しい帝国です。
今までの発想を根本から変えなければなりません。これからの時代にどういったものが必要とされ、売れ行きが良いのか。あるいは嗜好され、人気を博すのか、絶えず研究を怠らないようにしたいですね。
少なくとも、日本は人が集まるような仕掛けづくりが必要ですね。今はまだ中国人というと、貧しく、品がなく、犯罪集団みたいに見られているし、現にそうですが、レベルの高い層を引き付けなければならないし、大陸との間で頻繁に行き来し、活動するような人を育てていかないといけないですね。
日本人は自意識過剰で、被害妄想が強いですが、中国における日本のプレゼンスは明らかに低下しています。日本にとっては大きな貿易相手でも、中国からすると、どんどん役割は低下しています。そのうち、見向きもされず、こちらから努めて関心を引かないといけないような時代が来るでしょうね。
中国の正史などを見てもわかるように昔から、中国にとって日本は取るに足らない小さな国なのです。それがたかだかこの100年かそこら、先に近代化したので、立場が一時的に逆転したにすぎない。これからは本来あった位置に戻るにすぎないのです。
しかも米国の衰退が明らかになれば、資源でもない限り、中国が海洋に乗り出してくる必要性は低下するでしょうね。日本に大きな米軍基地があり、いろいろとちょっかいを掛けてくるので、中国の海軍力増強なんて話が出てくるのです。
米国がいなくなれば、そのうち海洋に対する関心はうすれるでしょうね。まあ、漁業とか海底油田など最低限の権益は守るだろうし、一応、日本、韓国、フィリピン、ベトナムに対するけん制もするでしょう。ただ、関心は内陸に向かうでしょうから、ウエイトは必然的に下がるでしょう。海には人はいませんし、いても船に乗れる人数しかいませんが、陸にはうじゃうじゃ人がいるので、どうしても緊張が高まります。
日本人など、大陸の端っこにある、カスみたいな島々に住んでいる、土人にすぎないし、江戸時代まではその程度の扱いでした。
だから、私たちは自分たちの立場や立ち位置をもう一度、確認する必要があるし、これからの時代、よほど努力しないと世界から振り向いてもらえないということを認識しなければなりません。
中国は英国や米国から遅れて、100年も200年も後に台頭する帝国なので、今までの世界帝国と何が違うのかを分析する必要があります。英国や米国は他国に戦争を仕掛けたり、虐殺をはじめ野蛮の限りを尽くして、のし上がった帝国ですが、さすがに21世紀なので、そうそう無茶はできません。
もちろん、すでにいろいろと報じられたり、巷間言われているように、中国が野蛮な部分を残していることは事実だし、国内の少数民族や、海外進出した現地の人々と摩擦があることは事実です。そういう面をクローズアップすると中国に対する嫌悪感しか持てないでしょう。
また、国際政治の舞台は、日本人が考えているような甘い世界ではないので、中国は手持ちのカードを最大限に生かすべく、いろいろと嫌がらせをしてくるでしょう。それに対しては、こちらもしたたかに対応していく必要があるし、的確に反応しないとやられっぱなしになります。逆に中国自身が学ぶ面もあるでしょう。
ただ、それは政治の仕事であり、はっきり言って私たちの日常生活とは全く関係のない、浮世離れした世界です。すでに経済では、中国を中心に世界は回りつつあるし、無視できない存在です。というよりは、中国の動きについていかなければこの先数十年、すくなくとも5年、10年は食いっぱぐれることになります。決して侮ってはいけないのです。
中国が台頭するということは、とりもなおさず、世界の中心がユーラシア大陸内部に移るということです。ということは必然的に、私たちの住む、日本列島というのは、世界の辺境になってしまうということです。
15世紀以降の海洋の時代では、海を通じて人や物が動いたので、海に囲まれている日本は、“極東”ではあっても、それなりに交通の要衝でもあったので、アドバンテージを得ることができましたが、これからは、地理的に劣勢であることを認識しておく必要があります。
「移動手段に飛行機があるし、インターネットで世界とつながっているじゃないか」という意見もあるでしょうが、じゃあ、移動が容易で情報のやり取りが容易になったからといって、たとえば北のはずれの稚内に脚光が集まりますか? 沖縄の離島に人が集まりますか? 住みやすくなりましたか? と問いたいですね。
米国なんて、広大な平野が広がり、しかも自然豊かで、人間が暮らすのに適した気候です。空港もネット回線もあります。にもかかわらず、世界の誰からも注目されない田舎都市しかありませんね。
やはり人や物、金、情報が集まるところが世界の中心なのです。ユーラシア大陸内部に世界の人口のほとんどが集中しているわけだし、そこに都市ができ、人や物、金、情報が集積すれば、新しい“帝都”ができるのです。そのダイナミズムを理解する必要がありますね。
英国や米国は時代のスピードが遅く、しかも限られた条件の中での帝国だったのですが、これからできるのは公害や水、食料、エネルギーなど技術的な課題が次々とクリアされ、制約がどんどんなくなっていくなかでの新しい帝国です。
今までの発想を根本から変えなければなりません。これからの時代にどういったものが必要とされ、売れ行きが良いのか。あるいは嗜好され、人気を博すのか、絶えず研究を怠らないようにしたいですね。
少なくとも、日本は人が集まるような仕掛けづくりが必要ですね。今はまだ中国人というと、貧しく、品がなく、犯罪集団みたいに見られているし、現にそうですが、レベルの高い層を引き付けなければならないし、大陸との間で頻繁に行き来し、活動するような人を育てていかないといけないですね。
日本人は自意識過剰で、被害妄想が強いですが、中国における日本のプレゼンスは明らかに低下しています。日本にとっては大きな貿易相手でも、中国からすると、どんどん役割は低下しています。そのうち、見向きもされず、こちらから努めて関心を引かないといけないような時代が来るでしょうね。
中国の正史などを見てもわかるように昔から、中国にとって日本は取るに足らない小さな国なのです。それがたかだかこの100年かそこら、先に近代化したので、立場が一時的に逆転したにすぎない。これからは本来あった位置に戻るにすぎないのです。
しかも米国の衰退が明らかになれば、資源でもない限り、中国が海洋に乗り出してくる必要性は低下するでしょうね。日本に大きな米軍基地があり、いろいろとちょっかいを掛けてくるので、中国の海軍力増強なんて話が出てくるのです。
米国がいなくなれば、そのうち海洋に対する関心はうすれるでしょうね。まあ、漁業とか海底油田など最低限の権益は守るだろうし、一応、日本、韓国、フィリピン、ベトナムに対するけん制もするでしょう。ただ、関心は内陸に向かうでしょうから、ウエイトは必然的に下がるでしょう。海には人はいませんし、いても船に乗れる人数しかいませんが、陸にはうじゃうじゃ人がいるので、どうしても緊張が高まります。
日本人など、大陸の端っこにある、カスみたいな島々に住んでいる、土人にすぎないし、江戸時代まではその程度の扱いでした。
だから、私たちは自分たちの立場や立ち位置をもう一度、確認する必要があるし、これからの時代、よほど努力しないと世界から振り向いてもらえないということを認識しなければなりません。
歴史のダイナミズム
水が高いところから低いところに流れるように、歴史も必然があり、大きな方向に動きます。台風で増水した川に流されれば、どんなに泳ぎが達者な人でも、あっけなく濁流にのみ込まれてしまうように、歴史の大きな流れにあらがうのは、自殺行為にほかなりません。よほどの覚悟や世を捨てるくらいの気概がない限りは、流れを読み、それに沿って行動するのが賢明です。
今私たちが目の当たりにしているのは歴史の現実だということです。海洋に覇権を確立することで500年余にわたって、世界でのさばってきた欧米が凋落し、いよいよ主役が交代しようという、めったに目撃することのできない瞬間に立ち会っているのです。
その事実を無視して、目先の利益にのみ目を奪われて、ロングだショートだ、やれテクニカルだ、雇用統計だ、やっているのは実に愚かしいことです。
実際には日々の生活に追われ、なかなか達観できず、細かい事にこだわって生きていかざるを得ない部分も大きいのですが、時々は一歩引いた視点で、立場から物事を考え、リセットし直す必要があります。
ただ、難しいのは、世の中いろいろと情報があふれていますが、なかなか真実を見抜くのは難しいということです。これはトレードをやっていて、感覚として理解できるのではないでしょうか。クズ情報やネガティブな情報であっても、それに反応して意味もなく、相場は上昇します。そうなると何を信じてトレードをしていいのか見失ってしまいますね。
だから、トレードの世界では、ファンダメンタルやテクニカルを超えた、さらに別の情報(暗号)を基にポジションを取る以外に対処のしようがありません。ドル、ユーロの価値からして、ファンダメンタルは十分機能していますが、株価や債券価格はどう考えてもファンダメンタルやテクニカルでは説明がつかないですね。日々の売買動向や、細かくチャートを読み込む以外に方法はありません。
はっきり言って、こんな相場は普通の投資家では太刀打ちできないし、歴史の流れとも乖離しているので、まともに相手にしないのが無難です。素直に見通しが立てられないことに対して、無理に執着するのは、まさに流れに逆らうのと同じだからです。
今の日本の政治、経済の動きもそうですね。大きな歴史の流れが見えていないから、当事者たちは、もっともらしいことをしているつもりでも、濁流の中で必死にもがいているだけのことで、滑稽あるいはみじめな悪あがきにしか見えません。
特に、国家破綻へ向かってまっしぐらの米国に支配され、言いなりにしか動けなくなっているので、強制的に歴史の流れに逆らい、抱きつき心中をするような格好になっています。
こういう時代だからこそ、政治も経済も、大局観を持ったリーダーが必要なのですが、残念ながらそろいもそろって小物ぞろいで、どうやら日本は濁流の渦に巻き込まれて、溺死する運命にあるようです。
私たち庶民は、国内の政治、経済の動きや、それらに寄生してガセ情報を流すマスコミに惑わされず、可能な限り、正しい認識を身に付け、したたかに生き残っていかなければなりません。
まず、はっきりさせておかなければならないことは、欧米が没落するということです。これはもはや覆せない厳然たる事実です。昨年のリビアに続いて、イランを攻めて、石油利権を分捕り、一時的には景気が良くなったように“錯覚”するかもしれませんが、砂上の楼閣にすぎないということです。
欧米の尻馬に乗って、偉そうにしている連中は愚か者であり、真っ先に歴史の濁流にのみ込まれて命を落とす人たちです。為替介入やら普天間飛行場移設問題やらTPPがいかに些末なことか。
そして、欧米が没落した後にどういう世界になるかということも考えておかなければなりません。やはり「中国が台頭する」ということです。
相変らず中国嫌いの人が多いし、バブル崩壊や民衆の蜂起など「中国ヤバい」としたり顔で言い立てないと気が済まない人がいるようですが、これは歴史の流れだし、必然です。
12億の人が豊かさを求めて、必死になって働いているわけです。もちろん環境汚染、食糧、エネルギー、貧富の格差など深刻な問題も抱えています。ただ、日本人が考えているほど中国という国は馬鹿ではない、というか中国のリーダー、エリート層は欧米や日本のことを細かく研究していて、後発者のメリットを存分に享受しています。爪の垢を煎じて飲むべきでしょうね。
バブルの問題にしたって、故・鄧小平最高実力者の「先富論」に従って粛々と対処するでしょう。金持ちにマンションを高値で買わせて、安くなったところを買いたたいて、貧乏人に入居させればいいわけです。中国には、人口をはるかに超えるマンションが林立する都市がそこかしこにあります。
農民がそれらのマンションに入れば、香港のような狭い土地に人口が密集する、「都市国家」があちらこちらにできるわけです。私たちのこれまでの常識では考えられない展開が今後、次々と起きるでしょう。だから、安易に中国にレッテルを貼るのはどうかと思います。
かつての米国ほど、豊かな世界帝国を築けるかどうかは分からないにしても、海岸の河川の河口部に大都市が点々とできるこれまでの発展パターンから、内陸に都市国家がいくつもできる、新しい展望が切り開けるでしょう。人口が密集しているので、効率的な都市経営も可能になることでしょう。だから、しばらくは中国の優位は続くことになるでしょうね。
欧米ばかり目を向けていると、けち臭い、しけた発想にしかなりませんが、目線を変えると新しい地平が広がるのです。歴史の流れはどちらに味方するでしょうかね。
今私たちが目の当たりにしているのは歴史の現実だということです。海洋に覇権を確立することで500年余にわたって、世界でのさばってきた欧米が凋落し、いよいよ主役が交代しようという、めったに目撃することのできない瞬間に立ち会っているのです。
その事実を無視して、目先の利益にのみ目を奪われて、ロングだショートだ、やれテクニカルだ、雇用統計だ、やっているのは実に愚かしいことです。
実際には日々の生活に追われ、なかなか達観できず、細かい事にこだわって生きていかざるを得ない部分も大きいのですが、時々は一歩引いた視点で、立場から物事を考え、リセットし直す必要があります。
ただ、難しいのは、世の中いろいろと情報があふれていますが、なかなか真実を見抜くのは難しいということです。これはトレードをやっていて、感覚として理解できるのではないでしょうか。クズ情報やネガティブな情報であっても、それに反応して意味もなく、相場は上昇します。そうなると何を信じてトレードをしていいのか見失ってしまいますね。
だから、トレードの世界では、ファンダメンタルやテクニカルを超えた、さらに別の情報(暗号)を基にポジションを取る以外に対処のしようがありません。ドル、ユーロの価値からして、ファンダメンタルは十分機能していますが、株価や債券価格はどう考えてもファンダメンタルやテクニカルでは説明がつかないですね。日々の売買動向や、細かくチャートを読み込む以外に方法はありません。
はっきり言って、こんな相場は普通の投資家では太刀打ちできないし、歴史の流れとも乖離しているので、まともに相手にしないのが無難です。素直に見通しが立てられないことに対して、無理に執着するのは、まさに流れに逆らうのと同じだからです。
今の日本の政治、経済の動きもそうですね。大きな歴史の流れが見えていないから、当事者たちは、もっともらしいことをしているつもりでも、濁流の中で必死にもがいているだけのことで、滑稽あるいはみじめな悪あがきにしか見えません。
特に、国家破綻へ向かってまっしぐらの米国に支配され、言いなりにしか動けなくなっているので、強制的に歴史の流れに逆らい、抱きつき心中をするような格好になっています。
こういう時代だからこそ、政治も経済も、大局観を持ったリーダーが必要なのですが、残念ながらそろいもそろって小物ぞろいで、どうやら日本は濁流の渦に巻き込まれて、溺死する運命にあるようです。
私たち庶民は、国内の政治、経済の動きや、それらに寄生してガセ情報を流すマスコミに惑わされず、可能な限り、正しい認識を身に付け、したたかに生き残っていかなければなりません。
まず、はっきりさせておかなければならないことは、欧米が没落するということです。これはもはや覆せない厳然たる事実です。昨年のリビアに続いて、イランを攻めて、石油利権を分捕り、一時的には景気が良くなったように“錯覚”するかもしれませんが、砂上の楼閣にすぎないということです。
欧米の尻馬に乗って、偉そうにしている連中は愚か者であり、真っ先に歴史の濁流にのみ込まれて命を落とす人たちです。為替介入やら普天間飛行場移設問題やらTPPがいかに些末なことか。
そして、欧米が没落した後にどういう世界になるかということも考えておかなければなりません。やはり「中国が台頭する」ということです。
相変らず中国嫌いの人が多いし、バブル崩壊や民衆の蜂起など「中国ヤバい」としたり顔で言い立てないと気が済まない人がいるようですが、これは歴史の流れだし、必然です。
12億の人が豊かさを求めて、必死になって働いているわけです。もちろん環境汚染、食糧、エネルギー、貧富の格差など深刻な問題も抱えています。ただ、日本人が考えているほど中国という国は馬鹿ではない、というか中国のリーダー、エリート層は欧米や日本のことを細かく研究していて、後発者のメリットを存分に享受しています。爪の垢を煎じて飲むべきでしょうね。
バブルの問題にしたって、故・鄧小平最高実力者の「先富論」に従って粛々と対処するでしょう。金持ちにマンションを高値で買わせて、安くなったところを買いたたいて、貧乏人に入居させればいいわけです。中国には、人口をはるかに超えるマンションが林立する都市がそこかしこにあります。
農民がそれらのマンションに入れば、香港のような狭い土地に人口が密集する、「都市国家」があちらこちらにできるわけです。私たちのこれまでの常識では考えられない展開が今後、次々と起きるでしょう。だから、安易に中国にレッテルを貼るのはどうかと思います。
かつての米国ほど、豊かな世界帝国を築けるかどうかは分からないにしても、海岸の河川の河口部に大都市が点々とできるこれまでの発展パターンから、内陸に都市国家がいくつもできる、新しい展望が切り開けるでしょう。人口が密集しているので、効率的な都市経営も可能になることでしょう。だから、しばらくは中国の優位は続くことになるでしょうね。
欧米ばかり目を向けていると、けち臭い、しけた発想にしかなりませんが、目線を変えると新しい地平が広がるのです。歴史の流れはどちらに味方するでしょうかね。
何が問題か
日本の最大の問題は、米国というどうしようもない破綻国家が宗主国であるということに尽きるのですが、何にもましてひどいのは、政界、財界、官界の対米追従しかできない無能ぶりと、知識人、メディアが総じて頭が悪いということです。
東海道新幹線のグリーン車に乗ると、「WEDGE」という雑誌がただでもらえますが、新年号のトップの見出しは「膨張中国 目を覚ませ日本」で、中国の内陸部が私たちの想像以上に速いスピードで発展しているので乗り遅れるなという趣旨かとおもいきや、軍事的にプレゼンスを増しているので、日米同盟を基軸に対抗し、TPPで経済的な包囲網を築くべしという、新年早々虫唾が走るような内容でした。
これを読む、日本のビジネスエリートの人たちはどういう感想を持つんでしょうかね。日米安保、中国封じ込め、云々が出てくる時点で、経済人としては失格だと思うのですが、内向き志向の強い人なんかには受けるんでしょうね。
もちろん中国ビジネスは、欧米を相手にするのと比べると、はるかに苦労が多いし、不確定要素も少なくなく、タフ、したたかさが要求されますが、それでも成長市場に乗っかることができるメリットは何物にも代えがたいものがあります。
中国封じ込めなんて本気でできると思っているんでしょうかね? 米国は国家破綻状態なので、日本や韓国やフィリピンやベトナムなんかをけしかけて中国にはむかわせようとしています。要するに自力で中国に対抗する能力はもはやないのです。それどころか、日本なんかが中国と反目している間に、自分たちは、ちゃっかり中国市場に食い込んだりしています。
世界の経済成長センターである、中国を抜きにして、これからの国際社会を生き残っていけると思っているのか? キューバのように鎖国政策を取るのであれば、話は別だし、それはそれで一つの見識だとは思いますが、現実的ではないでしょう。
米国の日本占領は大成功ですね。エリート層がここまで洗脳されてしまうと、どうしようもありません。中国がもたらす害悪よりも、米国がもたらした災厄の方が大きいんですけどね。米国に尻尾を振り、米国債購入、為替介入という形で国富を献上することで、若者から未来を奪い、地方は活気を失い、国全体が沈滞ムードに包まれている現状を直視すべきでしょう。
米国はこれからどんどん貧しくなっていくので、もはやビジネスパートナーとしても役に立たない存在になっています。韓国企業が躍進している背景には、日本が相手にしていた富裕層が没落したため、安売りとそこそこの品質で、米国市場に日本に代わって食い込むことができただけの話で、かなり筋の悪い商売であると言えるでしょう。
日本にとって最大の問題は、米国です。米国との付き合いを変えないと、奴らと一緒に、大恐慌の渦に放り込まれることになります。韓国、フランス、ドイツといった米国に必要以上におもねる国も、“仮想敵”であると考えていいでしょう。
日本が目を覚ますためにも、さっさと米国が没落して、大損すればいいと思います。残念ながら、信じていたものに裏切られて、痛い目に遭わないと理解できないようです。
反米の世論を醸成しなければいけないんですけど、なかなか広がらないですね。米国による洗脳は深刻だし、米国のインチキに気づいて逆らったものは徹底的に弾圧されますからね。昨年イスラム圏で起きた「アラブの春」なんかも根っこには反米があったはずなのですが、独裁者に対する怒りに巧妙にすり替えられてしまいました。
世界が抱える最大の問題は米国であるということ、いま一度思い返す必要があります。また、そんなことも気付かない日本のエリート層、あるいは確信犯的に尻尾を振って、地位や利益を得ようとするものども。奴らの問題も深刻です。
東海道新幹線のグリーン車に乗ると、「WEDGE」という雑誌がただでもらえますが、新年号のトップの見出しは「膨張中国 目を覚ませ日本」で、中国の内陸部が私たちの想像以上に速いスピードで発展しているので乗り遅れるなという趣旨かとおもいきや、軍事的にプレゼンスを増しているので、日米同盟を基軸に対抗し、TPPで経済的な包囲網を築くべしという、新年早々虫唾が走るような内容でした。
これを読む、日本のビジネスエリートの人たちはどういう感想を持つんでしょうかね。日米安保、中国封じ込め、云々が出てくる時点で、経済人としては失格だと思うのですが、内向き志向の強い人なんかには受けるんでしょうね。
もちろん中国ビジネスは、欧米を相手にするのと比べると、はるかに苦労が多いし、不確定要素も少なくなく、タフ、したたかさが要求されますが、それでも成長市場に乗っかることができるメリットは何物にも代えがたいものがあります。
中国封じ込めなんて本気でできると思っているんでしょうかね? 米国は国家破綻状態なので、日本や韓国やフィリピンやベトナムなんかをけしかけて中国にはむかわせようとしています。要するに自力で中国に対抗する能力はもはやないのです。それどころか、日本なんかが中国と反目している間に、自分たちは、ちゃっかり中国市場に食い込んだりしています。
世界の経済成長センターである、中国を抜きにして、これからの国際社会を生き残っていけると思っているのか? キューバのように鎖国政策を取るのであれば、話は別だし、それはそれで一つの見識だとは思いますが、現実的ではないでしょう。
米国の日本占領は大成功ですね。エリート層がここまで洗脳されてしまうと、どうしようもありません。中国がもたらす害悪よりも、米国がもたらした災厄の方が大きいんですけどね。米国に尻尾を振り、米国債購入、為替介入という形で国富を献上することで、若者から未来を奪い、地方は活気を失い、国全体が沈滞ムードに包まれている現状を直視すべきでしょう。
米国はこれからどんどん貧しくなっていくので、もはやビジネスパートナーとしても役に立たない存在になっています。韓国企業が躍進している背景には、日本が相手にしていた富裕層が没落したため、安売りとそこそこの品質で、米国市場に日本に代わって食い込むことができただけの話で、かなり筋の悪い商売であると言えるでしょう。
日本にとって最大の問題は、米国です。米国との付き合いを変えないと、奴らと一緒に、大恐慌の渦に放り込まれることになります。韓国、フランス、ドイツといった米国に必要以上におもねる国も、“仮想敵”であると考えていいでしょう。
日本が目を覚ますためにも、さっさと米国が没落して、大損すればいいと思います。残念ながら、信じていたものに裏切られて、痛い目に遭わないと理解できないようです。
反米の世論を醸成しなければいけないんですけど、なかなか広がらないですね。米国による洗脳は深刻だし、米国のインチキに気づいて逆らったものは徹底的に弾圧されますからね。昨年イスラム圏で起きた「アラブの春」なんかも根っこには反米があったはずなのですが、独裁者に対する怒りに巧妙にすり替えられてしまいました。
世界が抱える最大の問題は米国であるということ、いま一度思い返す必要があります。また、そんなことも気付かない日本のエリート層、あるいは確信犯的に尻尾を振って、地位や利益を得ようとするものども。奴らの問題も深刻です。
船長脱出
イタリアで起きた大型客船座礁事故。まさにタイタニック号をほうふつとさせられました。実際にタイタニック乗客の親族も乗っていたようですし、事故当時、たまたまらしいですけど、映画「タイタニック」の主題歌でセリーヌ・ディオンさんの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」が流れていたらしいです。話としてはどちらも出来過ぎだと思いますが、ニュースに見入ってしまいました。
何よりも印象的だったのは、今回座礁事故を起こした船長が乗客よりも先に救命ボートに乗り込み、逃げ出してしまったことですかね。思わずイタリアでは船長の生存権が尊重されるのかとも思ってしまいましたが、さすがにあの国でも船長(おそらくパイロットや運転士なんかも)は速やかに事態を的確に把握し、乗客を避難、誘導させる義務があるようで、刑事責任を問うべく、軟禁状況にあるようです。
日本人の感覚からしたら、船長は命を投げ出してでも、乗客を救命するのが当然だし、もし、本当に死んでしまったらならば美談に仕立て上げられるでしょう。
海外ではどういう反応があるのかと思っていたら、結構、船長に対する非難があるみたいですね。ただ、気を付けなければならないのは、欧米の場合は特に、船長が乗客を守るべく最大限努力するということは、あくまでも、「法律に基づいた契約あるいは義務」にすぎないということです。根底には契約違反というのがあって、そこからブーイングを浴びているという側面を軽視してはいけません。
日本人なんかは、船長に限らず、「緊急時に人が人を助けるのは当然」みたいな風潮があるので、「人道的観点」から論じられることが多いですね。ここが日本人と欧米(あるいは日本以外のすべての国)との感覚の違いだと認識しておいた方がいいと思います。
日本では、道徳心や義侠心が強く働くのに対して、欧米では法律や契約で縛られているから人助けをしなければならないという程度なのです。日本人がグローバルな世界でなかなか溶け込みにくいのは、その辺にも大きな原因があるでしょうね。
よく、日本では列車事故やなんかの遺族が「真相の究明を」みたいなことを訴えて、刑事裁判や民事裁判を起こしますが、裁判というのは欧米式の法律や契約にのっとって、人をさばく場であるから、必ずしも遺族が求めるような結果にはなりません。遺族の感情や思いを尊重して、判決を下すようにはなっていないから当たり前のことです。
法律や契約に違反するということが立証されてはじめて、有罪なり、多額の賠償を命じることになりますが、法廷で明らかになるのは法律違反や契約違反の事実関係であって、事故が起きた背景とか、組織風土については全く触れられないか、触れられても裁判の本筋にかかわることではないので、ごくあっさりしたものにならざるを得ず、遺族が求める「真相究明」からは程遠いものにならざるを得ません。
それが近代社会なんですよね。安易に人の善意とか道徳心に期待してはいけない、トライな世界なのです。近年、日本らしさが失われたというか、多くの人が権利をやたらと主張しだしたのも、人間同士の結びつきが、従来の地縁、血縁を中心に道徳心とか感情を中心に展開されていたのが、そういったものが希薄になり、法律上の権利、義務関係に頼らざるを得なくなっている面が大きいでしょうね。
東京電力の幹部がいまだに偉そうにしていられるのも法律に守られているからです。昔の考え方ならば、いさぎよく切腹していたでしょう。勝俣さんとか清水さんとかは福島第1原発では、まさにA級戦犯ですが、事故を起こしたことを自分の不名誉とか恥なんて感じておらず、のうのうと生きています。JR北海道の社長は事故を起こして自殺しましたが、東電の連中は自殺する心意気もないのです。こういうことを言うと、命の尊厳とか、人権とかいうやつが必ずいるし、それこそまさに東電の連中が持ち合わせている権利でもありますね。だから手出しできません。
ただ、合理的な考え方が、それが果たしてベストなのかどうか。あらためて考える必要があるし、これからもずっと葛藤し続けなければならないでしょうね。特にまだまだ旧来の考え方が根強く残っている日本人は合理的に割り切れないものを抱えています。
日本人が経済で欧米に追いつき、凌駕するに至った背景には、合理的な考え方ではなく、日本的なシステムが大きく作用した面があります。欧米人は仕事で契約以上のことをしませんが、日本人はほぼただ働きで長時間の残業をしたり、団結を強めるため仕事外でも取引先や上司と付き合ったり、必要ならば縦割りを排して自分の守備範囲外の仕事に手を出したりと、個人個人が自分の立場を越えて、プラスアルファの努力をすることで、世界有数の経済大国に上り詰めたのです。
この事実は重いと思います。契約に縛られ、限られた仕事しかしないから欧米は限界に達したのです。逆に日本人は顧客のために会社のために何でもかんでも自分でこなしてしまうところが強みで、そこが製品のきめ細かさとか、独特のサービス精神の原点ですね。
ただ、欧米人からはこのスタイルは理解されなかった。だから「エコノミック・アニマル」などと揶揄されました。ダメ人間どもからそんなことを言われて委縮する必要は全くないのですけれどもね。
イタリア人船長が乗客より先に逃げ出したニュースを見て、思ったのは、欧州の債務問題のことです。あれだって、「借金なんて返せないに決まっている」「どうせなら踏み倒してやろう」と思っているに違いないのです。史上最悪の借金国家米国も同様です。
契約上は、デフォルトを起こしたら最後、その後、私たちに誠意を見せる義務は全くないですから。むしろ、自分たちが生き延びるためにはどんなことでもしてやろう、日本を踏み台にして搾り取れるものは何でも搾り取ってやろうとすら考えるでしょうね。
そうなるともはや法律とか契約すらも超越してしまい、単なる力関係だけが支配する野蛮な世界です。でも、欧米は切羽つまっているから、なりふりかまわずなんでもやってきます。リビアから油田を奪い取り、新たにイランで戦争を起こし、戦利品を獲ようとする、最低の連中です。
私たち日本人は、この辺は本当に冷静に世界情勢を見た方がいいと思います。日本人の人のよさは武器になっている部分もあるし、契約だけがモノをいう世界では、逆に作用することもある。さらに身勝手な論理を振り回す連中に対してどう対処するか。きれいごとだけでは済まないのです。
何よりも印象的だったのは、今回座礁事故を起こした船長が乗客よりも先に救命ボートに乗り込み、逃げ出してしまったことですかね。思わずイタリアでは船長の生存権が尊重されるのかとも思ってしまいましたが、さすがにあの国でも船長(おそらくパイロットや運転士なんかも)は速やかに事態を的確に把握し、乗客を避難、誘導させる義務があるようで、刑事責任を問うべく、軟禁状況にあるようです。
日本人の感覚からしたら、船長は命を投げ出してでも、乗客を救命するのが当然だし、もし、本当に死んでしまったらならば美談に仕立て上げられるでしょう。
海外ではどういう反応があるのかと思っていたら、結構、船長に対する非難があるみたいですね。ただ、気を付けなければならないのは、欧米の場合は特に、船長が乗客を守るべく最大限努力するということは、あくまでも、「法律に基づいた契約あるいは義務」にすぎないということです。根底には契約違反というのがあって、そこからブーイングを浴びているという側面を軽視してはいけません。
日本人なんかは、船長に限らず、「緊急時に人が人を助けるのは当然」みたいな風潮があるので、「人道的観点」から論じられることが多いですね。ここが日本人と欧米(あるいは日本以外のすべての国)との感覚の違いだと認識しておいた方がいいと思います。
日本では、道徳心や義侠心が強く働くのに対して、欧米では法律や契約で縛られているから人助けをしなければならないという程度なのです。日本人がグローバルな世界でなかなか溶け込みにくいのは、その辺にも大きな原因があるでしょうね。
よく、日本では列車事故やなんかの遺族が「真相の究明を」みたいなことを訴えて、刑事裁判や民事裁判を起こしますが、裁判というのは欧米式の法律や契約にのっとって、人をさばく場であるから、必ずしも遺族が求めるような結果にはなりません。遺族の感情や思いを尊重して、判決を下すようにはなっていないから当たり前のことです。
法律や契約に違反するということが立証されてはじめて、有罪なり、多額の賠償を命じることになりますが、法廷で明らかになるのは法律違反や契約違反の事実関係であって、事故が起きた背景とか、組織風土については全く触れられないか、触れられても裁判の本筋にかかわることではないので、ごくあっさりしたものにならざるを得ず、遺族が求める「真相究明」からは程遠いものにならざるを得ません。
それが近代社会なんですよね。安易に人の善意とか道徳心に期待してはいけない、トライな世界なのです。近年、日本らしさが失われたというか、多くの人が権利をやたらと主張しだしたのも、人間同士の結びつきが、従来の地縁、血縁を中心に道徳心とか感情を中心に展開されていたのが、そういったものが希薄になり、法律上の権利、義務関係に頼らざるを得なくなっている面が大きいでしょうね。
東京電力の幹部がいまだに偉そうにしていられるのも法律に守られているからです。昔の考え方ならば、いさぎよく切腹していたでしょう。勝俣さんとか清水さんとかは福島第1原発では、まさにA級戦犯ですが、事故を起こしたことを自分の不名誉とか恥なんて感じておらず、のうのうと生きています。JR北海道の社長は事故を起こして自殺しましたが、東電の連中は自殺する心意気もないのです。こういうことを言うと、命の尊厳とか、人権とかいうやつが必ずいるし、それこそまさに東電の連中が持ち合わせている権利でもありますね。だから手出しできません。
ただ、合理的な考え方が、それが果たしてベストなのかどうか。あらためて考える必要があるし、これからもずっと葛藤し続けなければならないでしょうね。特にまだまだ旧来の考え方が根強く残っている日本人は合理的に割り切れないものを抱えています。
日本人が経済で欧米に追いつき、凌駕するに至った背景には、合理的な考え方ではなく、日本的なシステムが大きく作用した面があります。欧米人は仕事で契約以上のことをしませんが、日本人はほぼただ働きで長時間の残業をしたり、団結を強めるため仕事外でも取引先や上司と付き合ったり、必要ならば縦割りを排して自分の守備範囲外の仕事に手を出したりと、個人個人が自分の立場を越えて、プラスアルファの努力をすることで、世界有数の経済大国に上り詰めたのです。
この事実は重いと思います。契約に縛られ、限られた仕事しかしないから欧米は限界に達したのです。逆に日本人は顧客のために会社のために何でもかんでも自分でこなしてしまうところが強みで、そこが製品のきめ細かさとか、独特のサービス精神の原点ですね。
ただ、欧米人からはこのスタイルは理解されなかった。だから「エコノミック・アニマル」などと揶揄されました。ダメ人間どもからそんなことを言われて委縮する必要は全くないのですけれどもね。
イタリア人船長が乗客より先に逃げ出したニュースを見て、思ったのは、欧州の債務問題のことです。あれだって、「借金なんて返せないに決まっている」「どうせなら踏み倒してやろう」と思っているに違いないのです。史上最悪の借金国家米国も同様です。
契約上は、デフォルトを起こしたら最後、その後、私たちに誠意を見せる義務は全くないですから。むしろ、自分たちが生き延びるためにはどんなことでもしてやろう、日本を踏み台にして搾り取れるものは何でも搾り取ってやろうとすら考えるでしょうね。
そうなるともはや法律とか契約すらも超越してしまい、単なる力関係だけが支配する野蛮な世界です。でも、欧米は切羽つまっているから、なりふりかまわずなんでもやってきます。リビアから油田を奪い取り、新たにイランで戦争を起こし、戦利品を獲ようとする、最低の連中です。
私たち日本人は、この辺は本当に冷静に世界情勢を見た方がいいと思います。日本人の人のよさは武器になっている部分もあるし、契約だけがモノをいう世界では、逆に作用することもある。さらに身勝手な論理を振り回す連中に対してどう対処するか。きれいごとだけでは済まないのです。