サンデル教授のおかげもあり、ハーバード大学は最近何かと有名になった。私は、ハーバードも含めて、日本人の学部留学生が今後どんどん増えていくと思う。その理由は、受験生はもちろん、親や高校も、大学から海外に行くことを選択肢に入れ始めたと思うからだ。
そんな自分の仮説を検証するべく、ハーバードに学部から留学している学生たちに話を聞いてみた。我々の会話を、ざっくばらんにありのまま紹介したい。
今回懇談したのは、ハーバード大学1年生の岡洋平君(渋谷教育学園渋谷高等学校を卒業)と、同2年生の小林亮介君(私立桐朋高等学校を卒業)だ。場所は彼らの寮。たいへんすがすがしくて面白かった! 学部生ならではの情報も得られた。
東日本大震災は地震と津波と原発事故という三つの災害の同時発生により、非常に多くの犠牲者を出し、被災者は家屋、船舶その他のあらゆる財産を失い、第二次大戦以降最大の被害をもたらすという、一時は日本人を絶望の底へ突き落すような、大惨事となった。
しかし、その壊滅的状態から極めて頼もしい将来への光が見えてきているように感じられる。それは第二次大戦後の焼野原から復興した、日本人の不屈の魂の再現でもあるのだが、それ以上に、近年忘れられていた、日本人がお互いに助け合っていこうとする協調の精神がよみがえって来たように思われるからである。
今回のような大惨事に会いながら、乏しい救援物資の到来を忍耐強く整然と列をなして待っている被災民の方々の行為は諸外国で絶賛の対象になった。
今から18年前の1993年10月7日、中国の政府系通信社である新華社は、香港の「明報」の席揚記者が逮捕されたと報じた。理由は、席氏が金融と経済にかかわる「国家機密」を大量に盗んだことだと伝えられていた。
新華社の報道は、席揚記者がどのような「国家機密」を盗んだかについては触れなかった。ただ、香港のマスコミによると、中国の中央銀行が外貨を購入するため保有している金を売却するとか、預金を引き付けるため預金金利を引き上げるなど、席氏が書いた経済政策に関する「独占記事」が、中国当局から疑われたのではないかとの見方が一般的だった。
この事件で、席氏は懲役12年の刑を言い渡された(1997年1月に釈放)。
原子力発電所事故を受け、エネルギー政策の見直し論議が始まった。原発依存からの脱却、電力会社の地域独占の検証など課題は山積している。大幅な修正を探る首相官邸と守勢に回る経済産業省の攻防も激化してきた。
東京電力福島第1原子力発電所事故の損害賠償(補償)を巡る枠組みがようやく決まった。公的支援と電力会社の負担で東電が債務超過に陥るのを防ぐことを優先し、補償費用の分担割合など随所に曖昧さが残る内容に、与党内からも疑問の声が相次いだ。
関係者の関心は早くも次の攻防に向けられている。主戦場となるのが、原発推進を柱とする国のエネルギー政策の見直し。水面下で首相官邸と経済産業省の激しい主導権争いが始まった。
ポイント
・復興財源と財政再建は切り離して考えても意味がない
・復興国債を長い時間をかけて償還するという主張は問題
・「復興連帯税」という発想で理解を求める方法も
3月11日に起きた東日本大震災、そしてそれに引き続く福島第1原子力発電所の事故は、我が国経済に深刻な打撃を与えた。今後の日本の経済政策のあり方にも大きな影響を与えるのは必至であり、既に経済学者、エコノミスト、その他の有識者により様々な議論がなされている。
しかしながら、現在見かける議論の中には、経済学の観点から首をかしげたくなる主張もある。我が国においては、そうした経済学的に怪しげな議論が政治的に支持されて、現実の政策に反映され、悲惨な結末を招いてしまうことも多い(これは、多くの先進国でも見られる現象である。